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2009年4月9日木曜日

新年度講義開始

 新年度である。同志社大学では本日から2009年度の講義が始まった。今年はお役目として、新入生の講義も1つだけ、担当させていただくこととなった。その名も、First Year Experience、直訳すれば初年度経験というゼミのようなものだ。

20090408.jpg 高校を出たての学生たちが質問攻めに合う。とりわけ受験勉強においては、より高い点数を取ることができるよう、答えのある問題への解答の技術を磨いてきた人もいただろう。それに対して、徹底して「あなた」を問う教員に対し、さぞ暑苦しく、うっとうしい思いを抱いた学生もいたと感じてやまない。沈黙の時間が数分続いたときもあったのだが、それでも私は投げかけへの「応え」を待ち続けた。

 日々、大学院を担当しているからと言って、学部の1回生に対し「高校4年生」などと揶揄したいとは到底思えない。むしろ、要求水準が高いと思われようが、「クリティカル・シンキング」「傾聴」「リテラシー」ということばを直接使って、それらの概念に根ざしている意味の説明を通じて、4年後の「あなたたち」に身についていて欲しいことを伝えさせていただいた。どこまで届いたかはわからないが、少しでも響いていたとすれば、うれしい。例えば、遠くないいつか、レジュメを掘り起こして見つめてみたり、もしくは、昼食や夕食の際、友人や家族との会話の話題にしてもらえれば、それは何らかの引っかかりがあったことのあらわれであり、単に「うけた」のではなく「響いた」と言えるだろう。

 17人の小集団科目に続いて、夕方には登録人数717名の大大講義であった。Stage ManagerというソフトとiPhoneに入れたStage Handというアプリで華麗に操作、のつもりが、慣れないインターフェイスで、それこそ飛翔体ではないのだが「誤探知」「誤作動」だらけで散々であった。それにもめげず、スティーブジョブスには到底及ばないステージを終え、再び少人数のゼミに向かった。講義初日から全力で向き合った反動で、ちょっとスタミナを蓄えたいと欲し、つい「天下一品」の「こってり」を求めて帰り道に立ち寄ってしまった私であった。