ブログ内検索

2016年3月31日木曜日

應典院退任のご挨拶とお礼のことば

桜の開花予想の報道に触れるたびに、平年という言葉がいつを指すのか、年々戸惑うようになってきた気がします。みなさまにおかれてはいかがお過ごしでしょうか?

さて、私こと、山口洋典は、2006年4月より務めて参りました應典院主幹及び應典院事務局長の職を、2016年3月31日をもって退任いたしました。あわせて、宗教法人應典院も退職することとなりました。

秋田光彦主幹からバトンを引き継ぎ、この10年間はその水準を落とさぬよう、多くの方々の知恵と発想と人脈に助けていただきながら、多彩な場をひらくことができました。また、浄土宗の宗徒として、現代における寺院の可能性と限界に愚直に向き合うよう、微力ながらいくつかの挑戦を重ねて参りました。

上町台地界隈のネットワーク型まちづくりの推進、大阪市による現代創造事業の展開、大阪府市連携によるアーツカウンシルの設置構想への参画、そして東日本大震災からの新たな文明の地平への探求、どれも素敵なご縁に恵まれた中での取り組みとなりました。無論、全てが万全とはいきませんでしたが、着手したことや実施したことだけに満足せず、その成果と課題は、今後の実践への糧として参る所存です。

今後、当職が務めてきた立場は、秋田光軌新應典院主幹(3代目)・應典院倶楽部事務局長(5代目)が担います。奇しくも、当職がそれぞれの職に着任した同じ年に担うこととなります。浄土宗の教師資格のある若手僧侶が率いる新たな應典院の組織と事業に、倍旧のご厚情いただきますよう、謹んでお願い申しあげます。

なお、小生は4月以降、2011年度以降、應典院とあわせて兼職を重ねさせていただきました立命館大学の立場にて地域参加型学習の担当教員を務めつつ、立ち上げより関わって参りました立命館災害復興支援室にて引き続き東北やその他のまちに駆けつけ続けて参ります。昨年からは福島県楢葉町に頻繁に関わるご縁もいただいていますが、近畿圏において既に警鐘が鳴らされて久しい今後の災害への受援力向上にも関心を向けて参ります。

ちなみに、退任に先立ち、3月24日には、秋田光彦住職を代表に6名の呼びかけ人によって「送る会」を催していただきました。次期主幹の披露の機会も兼ねて、特にこの間、お世話になった方々と共に、実に思い出深いときを送らせていただきました。

重ね重ねとなりますが、この間の皆さまに寄せていただいたご関心とご支援に感謝申しあげます。そして、多々、至らぬ点がありましたこと、どうぞご海容くださいませ。

退任に際し、2016年3月31日をもって浄土宗の宗徒から還俗させていただいたのですが、これからも慈悲に満ちた世界を思い、一念仏者としての信心を忘れずに参りたく存じます。そして、これまでは多くの方々を巻き込む側におりましたが、これからは皆さまの呼びかけに応えていくことができるよう、余裕を持った立ち居振るまいができるよう、愚者の自覚のもとで仕事と暮らしを送って参ります。

改めて皆さまへの謝意と共に、今後のご多幸を願い、退任にあたってのご挨拶とお礼のことばとさせていただきます。10年間、ありがとうございました。

2016年3月31日
應典院2代目主幹・應典院寺町倶楽部4代目事務局長
山口洋典