ブログ内検索

2014年6月1日日曜日

成長から成熟への転換点


 今日は立命館大学のびわこ・くさつキャンパスの開設20周年の記念イベントであった。当初のスローガンは「20歳のBKC」といった具合に、20年が経ったことを前に出していたが、いつの頃からか前には押し出されなくなった。20歳までは成長の段階、そこからは成熟の段階に移行するから、今後は単なる拡張路線を取りはしない、など自らの年齢も重ねて比喩を遊んでみたくなるのだが、結果として「BKCサンクスデー」という企画名称とされ、主に地域の方々にお世話になってきたことへの感謝と、立命館大学の教育・研究・社会活動を体感いただく機会であることに力点が置かれた。いわゆる「ホームカミングデー」などとされる、OB・OGなどに向けた取り組みではなく、さしずめ大学による縁日である。

 今回、私は2つの企画に携わった。一つは「ふくしまとはじめよう。in BKC」である。こちらは2013年8月23日の内堀雅雄・福島県副知事のBKC来学を直接の契機に、2013年12月20日学校法人立命館と福島県とのあいだで締結された連携協力協定に基づいての企画である。12月20日には衣笠キャンパスにおいて、協定締結記念イベント「ふくしまとはじめよう。京都・立命館」が開催されたが、今回は上記の通り、地域への縁日に重ねて、ステージ企画とテントブースの両面で、福島の地震・津波・原子力災害・原子力事故後の今とこれからを見つめ、魅力と可能性を深めるものであった。

 この「ふくしまとはじめよう。in BKC」は、ステージ企画がαステーションとの連動企画となっため、構想当初よりは出番は少なくなった。先週の新潟県小千谷市での田植えから戻る夜行バスで風邪をこじらせてしまったこともあり、約1500人がブースに、のべ550人がステージ企画に来場いただいた企画の進行を妨げずに済んでよかった気がしている。ともあれ、どんな風に伝わったのかは、6月15日朝のα-KYOTO CONTENTS FILEで放送される予定なので、京都・湖南地区の方々には89.4MHzで、それ以外の皆さんにはradiko.jpプレミアムでのエリアフリーで耳を傾けていただければと願う。ちなみに放送には乗らない部分として、特にテントブースでの物産展の運営を、立命館大学サービスラーニングセンターの正課科目「地域活性化ボランティア/シチズンシップ・スタディーズI」の「減災×学びプロジェクト」の受講生全員が役割分担のもとで手伝いをさせていただいたところ、福島県・伊達市それぞれスタッフの方々から深い感謝をいただいたことに、こちらからの謝意を表しておきたい。

 今日の「BKCサンクスデー」は1日限りのイベントがほとんどなのだが、今回携わらせていただいたもう一つの企画「BKC開設20周年の記念特別展~BKCと草津の20年のあゆみ、そして未来を考える~」は、6月5日の木曜日までユニオンスクエア1階のユニオンホールにて開催されている。こちらもまた、立命館大学サービスラーニングセンターの正課科目「地域活性化ボランティア/シチズンシップ・スタディーズI」の「野路の記憶の物語プロジェクト」の受講生全員が運営の一部を担った。振り返れば1994年に理工学部環境システム工学科に入学した私は、こうした場面に関わる授業もなかったし、何より自分が20年後、母校で仕事をしているなど、想像だにしていなかった。この「BKC20年の歩み展」の中では、古田敦也さんが登場した衣笠新展開(政策科学部開設)とBKC開校をアピールする1993年度のポスター「うちのチームも大したものだが、うちの母校も大したものだ。」が多くの方の懐かしさを駆り立てたものだが、さしずめ「うちの母校も大したものだが、うちの学生も大したものだ。」と言いたくなるくらい、後輩にあたる受講生らの真摯な姿勢に敬意を払い、ここに記しておきたい。