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2014年1月9日木曜日

四都物語

JR西日本による「三都物語」というキャンペーンは、少なくとも関西在住の人には大変印象に残っているようである。「いやー、今日は神戸まで」などと言うと「そんなら、三都物語やね」などと返ってくる。それこそ、『探偵ナイトスクープ』での「関西電気保安協会」を「普通に読めない」(どうしても、CMでの節回しがついてしまう)のと、何か通じるものがありそうだ。かく言う私も、静岡で生まれ育った18年よりも、関西暮らしの方が長くなって、2年あまりが過ぎた。

静岡から京都に出て来て、滋賀のキャンパスに学んだ私は、今、滋賀・京都・大阪の拠点を行き来している。まさに、何をもって「都」と呼ぶかは議論が分かれるだろうが、少なくとも滋賀には「大津京」という駅名があるし、言うまでもなく平安京が置かれた京都と、難波宮のあった大阪は「県」ではなく「府」と呼ばれていることからすると、滋賀・京都・大阪の移動は三都物語である。今日はそこに神戸への移動も入った。歴史と都市文化の文脈を重ねるのは乱暴かも知れないがが、何となく四都物語と呼んでみる一日であった。

朝は立命館大学のびわこ・くさつキャンパス(BKC)で打合せで始まった。年始早々の日程調整で、3月に行われるサービスラーニングセンターの学生スタッフの合宿について、続いてBKCの開学20周年に関する打合せとなった。その後は大阪・應典院に移動し、11日からのお寺での総合芸術文化祭「コモンズフェスタ」などの確認を行った。そして、阪神電車へ乗り入れる近鉄電車で神戸・三宮へ、大阪ガスによる地域研究プロジェクトの打合せに向かった。

JR西日本は福井の敦賀と兵庫の播州赤穂まで新快速が走り、近鉄と阪神は奈良と神戸三宮を快速急行が走る。小学校時代からの悪友、中学校時代の「紙上旅行クラブ」の経験、さらには先般の高校時代の恩師(1年生のときの担任、専門は地理)との出会いなどもあって、鉄道による旅客情緒が好きなのだが、思えば、移動の手段としての利便性ばかりにあやかってきた気がする。何より、静岡にいたときには考えられない広域移動ができる環境(少なくとも、実家の最寄りである磐田駅からは、乗り換えなしで2県以上をまたいだ移動することは不可能である)は、帰宅困難リスクが高いことを意味している。実際、降りるはずの駅をはるかに通り過ぎて西明石で起こされたり、野洲や守山や彦根や米原で行く手(正確には戻り手)をはばまれたりすることが幾度となくあるのだが、今日はなんとか、行きも帰りも目的の地で降りることができた。