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2016年4月2日土曜日

務めを引き受ける

 立命館大学では今日が入学式である。私が学生だった頃は体育館で行われていた。小学校から高校まで、無欠席で通してきたものの、大学は入学式のその日から大遅刻で始まった。京都市山科区に居を構えて程なく、電車とバスの乗り継ぎに不慣れだったためだ。そもそも、幼・小・中・高のうち、一番遠かったのが幼稚園という環境で育ったことも無関係ではないだろう。
 時を経て今、母校で働いている。教養教育の担当ということで、複数のキャンパスを行き来しているが、今の住まいは個人研究室が用意された衣笠キャンパスまでは、歩いて15分程だ。それぞれにご縁である。これまでは個人研究室にて沈思黙考することは稀だったが、今年からはそのスタイルを変えていきたい。
 ちなみに、在学生対象のサービスラーニングセンター科目の登録が既に締め切られ、選考用の資料が届いている。思いの他、希望者数が少ない。よって矢継ぎ早に追加募集が行われた。学部の科目では味わえない魅力づくりに注力しているので、ぜひ、関心が向けられて欲しい。
 着目しているのはシティズンシップである。鷲田先生の言葉を借りるなら「地域社会のなかで、みなの暮らしにかかわる公共的なことがらについてともに考える、そしてそれぞれの事情に応じて公共の務めを引き受ける、そんな市民・公民としての基礎的な能力」(『しんがりの思想』p.88)だ。ワークとライフをつなぐ知恵でもある。さて、授業の仕込みに勤しもう。