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2017年7月28日金曜日

私は何者か

京都での朝はFM局「αステーション」による「α-MORNING KYOTO」と決まっていたが、時折、デンマークでも日本にいるかのように同番組に触れている。ラジオ番組のインターネット配信が行われるradikoというIPサイマル放送のサービスについて、プレミアム会員となり、かつタイムフリー視聴をすればいいためだ。ただし、radikoは国内限定のサービスであるため、海外からのアクセスではIPアドレスにより、エリア外と判断されてしまう。著作者や広告主への配慮により、こうした制約を持つものの、アクセス元の環境を日本からということにすれば聴取が可能となるため、VPN接続をさせていただくことで、番組を楽しませていただいている。

「α-Morining Kyoto」では佐藤弘樹さんのエスプリの効いたトークに膝を打つことが多いのだが、今日は「教師五者論」に触れられていた。数学者の秋山仁先生が唱えているとのことである。私なりにまとめるなら、知識のある学者、治療ができる医者、予想ができる易者、演出ができる訳者、技芸に秀でた芸者の五者である。今日、佐藤さんはそこに「忍者」を加えておられ、さしずめ鍛錬を積んだ忍者、といった具合だろうか。

そうした中、今日、東京に住む高校3年生からFacebookのメッセンジャーで質問が届いた。「日本の文化芸術活動が盛んでないということ」について、「5分ほどでもよろしいのでお時間をいただくことはできないでしょうか?」との投げかけだった。本名と共に、携帯電話と電子メールのアドレスも記されていたが、今、デンマークに居ることを伝えて、「もし、話ではなく、問いがあれば、それにお答えすることはできますし、Facebookメッセンジャーの通話でもよければ、それでも対応できます」と返すと、いくつか問いが投げかけられてきた。それによると、 恐らくネットTAMで連載させていただいたアーツカウンシルに関する記事を読んでもらえたようで、将来、芸術文化に関するコーディネーターになりたいという意欲を持っているとのことであった。

私からはまず、文化庁による2020年の東京オリンピック・パラリンピックに対する文化プログラムの基本構想についてどう捉えているのかを逆に問いかけてみた。そして、英国のアーツカウンシルの初代会長であるケインズさんの業績などに触れつつ、経済原理における使用価値と交換価値についての説明をした。その上で、鑑賞者教育を通じて芸術文化へのリテラシーを高めていくことが大切だろう、と示してみた。ご近所の家の玄関に添えられた花の名前もわからない無学な者だが、このやりとり、まだまだ続きそうであり、加えて今後、どのようなコーディネーターやマネージャーとなっていくのか、期待が高まる。