気仙沼・唐桑の「つなかん」を5時半に出て、仙台空港へと向かった。昨日の昼を斉吉商店さんでいただいてから、車内では私のiPhoneに入れていた志の輔師匠の落語が流れ続けた。「震災後、CDで志の輔師匠の『はんどたおる』を聞いたとき、涙が出るくらい笑って、笑うことって大事だと気づいた」という和枝さんのお話しを受けてのことである。唐桑から仙台空港までは2時間半あまりなので、3席は楽しむことができた。
台風が接近していたものの、仙台空港はそれほど雨風の影響を受けていないように思われた。まずは先を急ぐ方々を降ろし、ガソリンを満タンにしてレンタカーを返し、私は10時過ぎの新千歳空港行きの便を待つことしにした。西へ向かう便が軒並み欠航となる中、カウンターでは新千歳行きも天候調査中であると告げられた。目的地へと限りなく近づこうと運行を続ける鉄道と違って飛行機は天候調査により出発地に戻ろうとする、志の輔師匠の落語ではそんな落語の「まくら」があることを想い起こしながら待機していると、間の悪いことに、仙台空港上空で着陸を待機していた便が新千歳空港に引き返すこととなり、それにより乗るはずの便が欠航となってしまった。
北海道へは当別エコロジカルコミュニティーによる「北海道高校生自然環境ミーティング」をプロデュースする役割があったため、何とか移動の手立てを考える必要があった。そこで悩んだあげく、最も早く到着できること、可能な限り出費を抑えること、それらをもとにカウンターで相談すると、その時点で対応可能で確実に運行が決まっている振り替え便は羽田〜新千歳であると案内された。そこで仙台駅から東京まで新幹線に乗り、品川から京浜急行で羽田空港へ、そして新千歳に飛んでから札幌駅で石狩太美へと向かうと、夕食の後のワークには間に合うことがわかった。本来は全道から参加する午後のプログラムから参加するはずだったのだが、致し方ない。
結果としてウェルカムバーベキューの途中で合流でき、片付けの後、今年で10周年を迎えるミーティングの座談会を行い、そのコメンテーターを担うということで徐々に場に参画することにした。座談会では初年度から実行委員として参加する先生と、当別エコロジカルコミュニティーの山本さんと、2人を聞き手として、3人のOBたちが高校生だったときに何を行い、そこで何を体験し、今の暮らしにどのような影響がもたらされたのかが語られた。これを受けて、今年、偶然にも10年目に参加することになった生徒さんたちが「何をしたいか」という純粋な欲求を黒板に記することでぶつけてもらうことにした。そして、それらのアイデアの中から「自分がリーダーとなり、今回の参加者たちと共に実施したいと思うこと」がある人に立候補してもらい、参加者に対してメンバー募集のプレゼンテーションをお願いし、早々に3つの班が出来上がったのだが、若さのみなぎる生徒さんたちは日付が変わっても議論は終わらず、一方で先生方は「落としどころ」を探るという、何とも対照的な場が生み出されていた。