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2018年1月1日月曜日

憂さ晴らし?

デンマークでは新年を花火で迎えることを、いくつかの情報源で知っていた。12月27日には、在デンマーク日本大使館から、注意喚起のメールが届いていた。そのメールには「大晦日の街頭花火にご注意ください」と掲げられ、「大晦日から元日にかけて街頭において盛大に花火を上げて新年を祝う習慣があります」と前置きの上で、「これにより火傷を負ったり、目に花火が入って失明するなどの被害が例年発生しています」とあった。そのため「大晦日から元旦にかけて外出なさる際には、眼鏡や事故防止用のプラスチック眼鏡を着用するなど、怪我予防を心がけてください」と呼びかけられていた。

こうした注意喚起は、たいてい首都であるコペンハーゲンを想定して促されるものだと捉えていた。約58万人のコペンハーゲンに対して、オールボーは約21万人である。デンマーク第4の都市とはいえ、人口密度も首都ほどではなく、落ち着いた北のまちゆえに、それほどの注意は必要ないだろう、などと高をくくっていた。ところが、今回ばかりは注意喚起をそのまま受け止めてよいものと痛感した。


12月31日をあと2分ほど残すタイミングで、オールボーのハーバーフロントに着くと、そこは既に人でごった返していた。ちなみにハーバーフロントとはユトランド半島と北ユトランド島が橋でつながった界隈であり、大阪であれば十三あたり、京都であれば四条河原町くらいの賑わいを想像してもらえればよいだろう。そこで、個々人が思い思いに花火を打ち上げるのである。ショーのような演出ではなく、良い言い方をすればジャズの即興演奏のような感じ、悪く言えば意のままに間髪入れずに空へと、そして時には人がいようといなかろうと勝手に打ち放たれていった。

デンマークでは大晦日の6日前から花火が解禁される。そして大晦日に絶頂を迎える。そして元日の今日もまた、夜になっても遠くで花火が上げられていた。鬱々とした何かをまだまだ吹き飛ばしきれないのか、それとも明日からの通常モードへの区切りのためのか、元日の夜は長い。