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2018年1月6日土曜日

伝わって欲しいことが伝わるように

高校生の頃、大学受験を前にして、進路の選択をしなければならなかった。いわゆる進学校に通っていたため、進路は大学進学が前提とされていた。したがって、どの大学に行きたいを決める必要があった。18年のあいだ、生まれ育ってきたまちから出て暮らすことのなかった私は、どの大学にすればいいのか、自宅から通うことができる大学にしようか、悩んだ。

いつしか、進路は選択肢が広がる方を選ぶのが得策だと思うようになっていた。文系と理系の選択の際には理系から文系に変えることはできるから理系に、国公立か私立かのときにはセンター試験を受けておけば私学の入試にも使うことができるということで5教科7科目を受験した。そして、第一志望の大学は、日本で唯一、社会と理科の教員免許が取得できる学科を選んだ。最終的に入学したのは、たまたま友人が「理系の願書は使わないから」と、分けてくれたことで受験校の候補とした大学で、受験した学科は開設初年度の「環境システム工学科」だった。

受験に際して友人が多く通っているからという理由で通った塾では「おまえは小論文がない受験をした方がいい」と言われた。それが悔しくてZ会の「小論文教室」という参考書を購入した。あれから25年、今になって、あのときに受けたアドバイスが効いている。伝えたいことを伝えるのではなく、伝わって欲しいことが伝わるように書くにはどうしたらいいかを考え、内容だけでなく文脈が重要となる、といった点である。

今日は終日、10月末に投稿した論文の修正作業にあたった。改めて自分の書き癖との戦いとなった。朝焼けから夕焼け、そして日没まで、コンピュータの画面と窓の外の風景とのあいだで目を往復する中、高校時代からの思い出にも、少しだけ浸った。少し煮詰まってしまったので、明日は別の作業に取り組み、箸休めとしよう。