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2018年3月20日火曜日

6分刻み

デンマークから日本に戻って、恐らく違和感ばかりがこみ上げてくると思われることが、電子化の浸透具合である。もちろん、浸透していなさへの苛立ちがこみ上げてくるだろうと予測している。デンマークの暮らしでは、人が機械によって代替できる部分は、徹底して機械化や電子化が進められていると断言できる。逆に、日本に戻れば「え?」や「なんで!」と感じることが多々出てくるだろう。

今日も、住民登録を抜くための手続きを調べたところ、役所での窓口対応時間を予約することができることがわかった。これも、CPR番号(日本で言えばマイナンバー)による管理が行き届いていることによる。日本では「管理されている!」といった抵抗感が先に立ち、「管理してくれている」という認識に至らないのは、例えば住民基本台帳ネットワークの導入、また年金の運用など、幾十もの「?」が重ねられたことによるのだろう。そもそも、限られた資源(特に、人、お金)のもとで動くことを制約とするなら、統治機構のスリム化は必然のはずなのに、単年度会計と紙資料の重視(Excel方眼紙に象徴される)が、機械化や電子化へと舵を切れない要因の一つになっているだろう。


ちなみに来週、オールボーの役所に住民登録を抜いてもらうために窓口の予約をしようとしたところ、6分間隔で予約できることを知った。5分で手続きして、インターバルを1分と計算しているのだろうか、と推測した。仮にそうであれば、1人の手続きに5分かけないことを前提に、社会システムが設計されていることになる。幸いにしてデンマークでは突発的な不調で病院にかかることはなかったものの、予約がない場合には空き時間まで延々と待たされ、医師の予約をしたときに1分でも遅れると次の人に回されると聞いており、信用と信頼をもとにした関係が前提とされるのだと感じ入ったことをよく覚えている。

帰国にあたって、どれだけのお土産が必要になるのか、ということも、ささやかな悩みである。昨日、生協で買い物をした際に、甥っ子たちへのお土産にと、LEGOを買ってみた。刑事ドラマ好きな弟(甥っ子からしたら、父)のことだから、と、年齢に応じて2種類のものを買ってみた。これがなかなかよく出来たセットで、いくつもの物語ができそうだ、と、デンマーク人の気質や風土に改めて感心した。