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2021年1月13日水曜日

生まれるものか、生み出すものか?

水曜日ということで、緊急事態宣言の状況下ではあるが、英会話のクラスに出席した。お題はアジア圏における近代建築の保存についてであった。会場が中之島で、2012年12月までは1931年に竣工の大阪朝日ビルだったこと、また半数ほどが当時からの受講継続ということもあって、会話は多いに盛り上がった。ちなみに、お題の手がかりとされたニューヨーク・タイムズの記事「‘Box’ or Gem? A Scramble to Save Asia’s Modernist Buildings」が1面を飾った理由は、香港の中央郵便局(General Post Office:郵政総局、1976年竣工)の保存か再開発かが、1997年までの英国による植民地時代と中国本土の支配のどちらに重きを置くかの選択になるのでは、という観点が重ねられるため、という見立てである。

午後は2月20日にコーディネーターを務めるFDフォーラムの打ち合わせだった。2016年と2019年・2020年と、大学コンソーシアム京都の企画検討委員を務める機会を得たが、昨年度はオンラインでの資料提供のみに止まり、今年度は初のオンラインでのライブ開催である。今回はそのコロナ禍に大学はどう向き合ってきたか、それをもとに大学の未来を展望することとした。話題提供をいただくのはFacebookで2万人を越えるメンバーが参加する「新型コロナのインパクトを受け、大学教員は何をすべきか、何をしたいかについて知恵と情報を共有するグループ」の設立管理人である関西学院大学の岡本仁宏先生と、同グループの世話人の一人で『ROBOT-PROOF:AI時代の大学教育』の訳者の一人であられる金沢大学の杉森公一先生である。

シンポジウムの問いは「大学の教育・研究・社会貢献に新しいモデルは生まれうるか?〜COVID-19の経験を踏まえてAI化・ロボット化した世界の担い手を構想する〜」とした。しかし、名付けた当人としては、この解は自明である。というのも、無生物主語で記した表現を「私たちは」を主語を言い換えるなら「(私たちは)大学の教育・研究・社会貢献に新しいモデルを生み出しうるか?」となるためである。つまり、コロナ禍において大学の教育開発に取り組む当事者としての自覚や責任を抱いているなら、自ずと新しいモデルを問う場になる、いや、必ずや問う場にせねばならない。

今日の最後のお仕事は、昨日に引き続き、大阪府特定非営利活動法人条例指定審議会のオンライン会議であった。今日は大阪NPOセンターへのインタビューだった。6つの問いに対して端的にお答えいただいて、その内容は動画で収録させていただくのだが、前後のやりとりも含めて、実に大阪的、という印象を抱いている。どのあたりが大阪的なのか、というのは、まだまだ簡単に言葉にはできず、改めて大阪大学の渥美公秀先生に紹介いただいた『大阪ことば学』(尾上圭介・著、1999年刊・2010年に文庫化)を読み直してみたい。

バス車内で耳にした(「そのコート、あったかそうやな」で始まった)会話もまた実に大阪的
(iPhone XR, 4.25mm(26mm), f/1.8, 1/716, ISO 25)