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2021年2月9日火曜日

時の流れ〜 レール・デュ・タン

朝、布団を出て外に目を向けると、近所の屋根にうっすらと雪がかぶっていた。3月に入ってもこうした風景を見るというのは、この数年のうちにはなかったように思う。それでも日中は暖かく、コートなしでも差し支えのないくらいだった。季節は確実に巡っている。

今日は3件のZoomミーティングがあった。午前中は大阪府江之子島文化芸術創造センターの座談会があった。昨年の2月23日に開催予定だった“おおさかアートコモンズ(仮称)ギャザリングvol.5 「大阪の”社会関与型”アートプロジェクトvol.1」”の代替企画として、登壇予定だった人々で非公開の座談会を行い、その内容を事務局が編集して文字化するという展開となったためである。社会関与型という文字が括弧付きとなっているところに、いわゆるソーシャリー・エンゲージド・アートと呼ばれる概念を相対化し、日常生活と芸術文化との関係を改めて丁寧に見つめ直そう、という企図が見え隠れする。

午後のZoomミーティングは、2020年度の秋学期に担当していた立命館大学の「地域参加学習入門」の受講生から相談に対応するものだった。2020年度の秋学期のこの科目は事前に映像を提供してその内容に対する質疑応答などを時間割に配当された時間にて受け付ける、という形態を取っていたのだが、その1回目と15回目の相談時間にも参加してくれた一人である。千葉県出身の4回生で、サークルの夏の遠征で足を運んだ青森県のある町の役場の方からの声かけにより、2021年度に地域おこし協力隊として勤務する予定、という印象深い学生だった。今日は現地での担当者との面接を前に、自分の思いをどう語ればいいのかについて予行演習のような具合で語るので、気づいたことをコメント、助言して欲しい、という主旨だった。

夜には公益財団法人大学コンソーシアム京都の第26回FDフォーラムの企画検討委員会だった。26回目にして初のオンライン開催として、2月20日から4日間にわたって展開されるにあたり、その直前の整理・確認のための会議だった。ちなみに、午後に行った学生との対話で、雇用と委託では違うことが話題となった(参考:「平成30年度地域おこし協力隊に関する調査 調査研究報告書」一般社団法人移住・交流推進機構[JOIN]のだが、約20年前、大学コンソーシアム京都の職員として採用されて社会保険の手続きにより親の扶養を抜けるときに父から「おめでとう」と言われたこと、1年契約の嘱託職員だったゆえに毎年の契約更改が滞りなくいくかどうかを気に掛けてもらっていたことを思い出した。父はまだ存命であるものの、朝日放送の「探偵!ナイトスクープ」にて、亡くなられたお母さんが使っていた香水の銘柄を突き止めたところ、日本語では「時の流れ」を意味する「レール・デュ・タン」であったという名作があるように、時を経て昔の職場に関わる記憶を引き出してくれた学生との対話の機会に感謝したい。