4月2日、学校法人立命館の新任教職員の辞令交付式に出席いたしました。途中、Facebookを通じて「新任という響きが意外」というコメントも寄せられ、二重、三重に不思議な思いを抱きながらの出席となりました。3月までは同志社の教員をさせていただいてきましたが、知った風景の中で、組織文化もある程度理解できていることもあって、「知る」よりは「学び直す」そんな心地で着座しておりました。ちなみに辞令交付式とはいえ、大学教員64名、附属校教員25名、事務職員9名の参加(うち26名がアジア太平洋大学関係)という、一定数の参加者ということもあり、理事長から辞令を渡されるのは選ばれし方(大学教員・附属校教員・事務職員から1名づつ)のみでした。
朝から夕方まで、みっちりと内容が詰まっていました。まず、9時10分からは教学部(90分)、研究部(30分)、学生オフィス(30分)のガイダンスが、その後11時50分から40分の昼食時間が入り、任意で12時30分から国際平和ミュージアムの見学、そして13時から辞令交付式(学園歌演奏、役職者紹介、理事長挨拶、総長挨拶、辞令交付)、14時からオリエンテーション(立命館学園の現状と課題、禁煙について、給与・福利厚生ガイダンス、ハラスメント防止について、校友会ガイダンス、生活協同組合ガイダンス)という順でした。ちなみに立命館大学国際平和ミュージアムは、世界に150程ある平和博物館のうち、唯一、大学が運営するものであり、ウェブサイトにあるとおり1992年に「『平和と民主主義』の教学理念を具体化する教育・研究機関として」開設、その後9.11アメリカ・ニューヨークの同時多発テロなどを経て、2005年にリニューアルされました。正直、リニューアル以降は始めて入ったのですが、同志社で働いてきて「精神的支柱」としての設立者・新島襄先生の存在を極めて尊いものだと感じてきたのですが、いわゆる宗教的な拠り所がない中でも、このような道徳的な拠り所をきちんと有しているということに、誇りを持ってよいのだ、と感じたところです。
この間、母校ということもあって「古巣に戻るのですね」という声をいただいてきましたが、本日の辞令交付式に出席して、何となく、その実感がかきたてられました。総務担当の常務理事にには「おおー」と声を掛けていただき、総長は退出の際に微笑みを浮かべながら近づいてきて小さく茶化していただき、登壇して説明をされる方々はお酒の席をご一緒した方々が多かったり、などです。ちょっと前、昔お世話になった職員のに「皆さん、偉くなりましたね」などと軽口をたたいたところ、「お前もな」という感じで返されてしまいました。時に、教職協働ということばがキャッチフレーズのように使われる大学界ですが、学生時代からお世話になった方々と、こうして共に仕事をさせていただくことができる環境にいることは、やはり自らが育った「巣」に戻って来たのだろうな、と思っています。
実は辞令交付式ではいただかなかった辞令として、2011年度、立命館大学サービスラーニングセンター副センター長(BKC)という肩書きを背負うこととなりました。着任早々のことですが、対外的に組織間連携や学術協定を活かしていく上では、何らかの肩書きが必要だろうという議論の結果でして、若輩者ながらの大役に、身の引き締まる思いです。当面、サービスラーニングセンターによる地域参加型学習の講義担当に加えて、センターを通じた多彩な地域社会との連携促進にあたっていくこととなります。多くの目を背中に受けていくことに、適度な緊張感を抱きつつ、職務に当たっていきたいと思います。
教職員証(同志社は「社」なので「社員証」でした…)の写真は浄土宗の輪袈裟をさせていただいている写真で、辞令は手書き(筆耕)という、ちょっと格調が高い、そんなセットでございます。