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2015年2月24日火曜日

インドネシアでご縁を紡ぎ直す

インドネシア出張、2日目は終日ジャカルタで過ごした。月曜日に日本を出て、金曜日の朝には戻るという、比較的短期の出張である。今回は立命館大学研究部による若手支援のプロブラムに採択いただいた「悲嘆の受容と伝承の方法論に関する研究 〜当事者による語り直しの場づくりへの視座〜」の一環で、災害多発地域の一つでのフィールドワークのために訪れた。インドネシアにはつい先ごろ、1月31日の深夜便で日本を出て、2月3日には帰国するという弾丸出張でジョグジャカルタを訪れている。こちらはガジャマダ大学での学生ワークショップの進行役を担うべく、立命館災害復興支援室による校務での出張だった。

 研究での出張にあたり、特に海外出張の場合は現地でのコーディネーターが欠かせない。今回はソロに滞在中の作家であるフジモトヤスヨさん(cyabon)が骨を折ってくださった。フジモトの滞在は文化庁による平成26年度新進芸術家海外研修制度に選出されたためである。工芸分野での採択で、染と織について調査を重ねているところであり、上記のテーマとあわせて、いくつかの場所にご一緒いただいている。

 今日は午前中からFine Art Limaran Batikのインサナ・ハビビ(Insana Habibie)さんとの面談であった。ハビビさんとは昨年3月に京都文化博物館で開催された企画「島々の染と織」でもお目にかかっていた。そんなご縁もあり、先週からインドネシア入りをされていた株式会社細尾の細尾真生社長と、フジモトさんと3名で再会した。そして、ご自身の作品に重ねている思い、特にインドネシアの中でもファッションのまちで知られるバンドンを拠点としつつ、古来より細かな作業で知られるプカロンガンにて制作が重ねられている背景などについてお話を伺った。

 ハビビさんと共に会食の後、そのまま車で送っていただいて、ジャカルタのテキスタイルミュージアム(Museum Tekstil Jakarta)へと向かった。ここでは学芸員のアリ(Mis Ari, S.Pd)さんに対応をいただき、服飾文化の歴史から紐解く時代の様式などについて知ることができた。また、この博物館では思わぬ出会いがあった。それはアチェの地震でも文書修復の専門家としてインドネシアでの災害支援に取り組み、現在はJICAを通じてインドネシア国立考古学研究所(ARKENAS)にて紙資料の保存・修復等のために11ヶ月現地に滞在しておられる坂本勇先生とお目にかかれたことで、阪神・淡路大震災当時に伊丹などで支援にあたられたこと、またその後には神戸で『翔け神戸』の著者である大仁節子さんたち共に活動したことなどを伺い、「大仁さんの撮影した場所を、立命館の学生が継続して定点観測させていただいているんです!」と、数々のご縁ご縁に感謝を重ねる一日であった。




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