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2007年1月17日水曜日

大阪まちブランド探訪

 若輩者ながら、多くの委員を務めさせていただいている。最早、どこに行っても最年少、という程ではなくなってきたが、まだまだ若輩者である。文字面を見つめて見れば、「若輩者」ということばは、「若者」ということばの間に「やから」という字が挿入されている。謙虚さを自戒せねば、という想いを携えながら、会議の席に貢献せねばならないことを自戒すべきなのであろう。

 今日は「関西広域連携協議会(KC)」の「文化振興策研究会」の第二回会議であった。新聞社、県職員、公共施設館長、事業プロデューサー、NPO代表等々による会議である。しかし、そんな風にして立場を抽象化するのではなく、むしろ固有名詞を挙げれば「なかなか」の集団による会議だ。その中に「僧侶兼教員」の私が「お寺」の立場から参加している。目的は、関西の2府7県で展開する官民共同による文化振興策を検討し、提案することである。

 現場に携わる人々であるから、抽象度の高い話と、具体的な話とが折り混ざる。例えば「ハコとヒトのリプロデュースだ」とある委員が発言すれば、「10000人のオーディエンスをつくるなら100人のマネージャーをつくればいい」と続ける。そして「NPOも含めて参加型の文化振興協議会をつくればいい」と発言があれば、「実際の施策がどうなっているか現状把握が必要」という意見が続く。一見、脈略がないようだが、「よい」関西を創ろうとする思いは共通だ。

 そもろも、文化振興策を考える、ことが問いであるから、その前提の部分も含めて多方面からの問いが出てくる。会議の席上で言えば「それぞれのイデオロギー」が全面に出る。しかし、それらも含めて、喧々囂々の議論が成立することが、この会議の魅力だろう。ともあれ、「この会議、シンポジウムみたい」という発言の後、イタリアン居酒屋で飲み放題の「第二部」が続けられたのだが、その席を手配いただいた方の出向元(大阪に本社のある酒造メーカー)のビールがある、ということを大切にされて場所が選定されていること、そうしたブランド力こそ、文化振興を考える上では大切にすべきなのだろう、とほろ酔いの中、思うのであった。





大阪まちブランド探訪:まちづくりを遊ぶ・愉しむ

はじめに(抜粋)




 「集客」や「観光」における都市力が、いまや国の施策としても推進されており、昨今では地域ブランドづくりの必要性がテーマに掲げられている。「ブランド」の語源は、羊などの家畜に雄楽品(BURNED)に由来しており、他人の羊と区別するためのものであったという。現代では、他の類似品と差別化するための、優位性を認める記号や、記号に象徴される世界観であると定義されている。地域ブランドとは、地域のもつイメージを、サービスや商品、特有の文化などの融合体である。他と差別化できる良いものであるという「約束」を伴い、訪れた方に満足を提供する。そして一流感を伴うと考えられている。

 新たに必要とされる持続可能な地域ブランドとはどのようなものか。それは、例えば地元の人が抱く思いや夢を体現した�場所�や�活動�、そのオリジナリティだと考える。まちの歴史や文化をいかに解釈して現在に活かすかという独自の営みの継続が、地域の資源となりブランド力の源泉として育つのではないか。その効果で、マスコミに紹介されたり外部からの訪問者が増えたことで、逆に活動に無縁であった住民の方が「はじめてわがまちの魅力に気づいた」と誇りを感じる例も少なくないようだ。



栗本(2006) pp.1-2