朝から衣笠キャンパスで、サービスラーニングセンターの学生コーディネーターとの合宿の打合せが行われた。サービスラーニングセンターでは、ボランティアセンターという名前で活動していた頃から、大学と地域とのあいだを結ぶために、学生スタッフを起用している。名称が変わった今でも、学生たちの学びと支える学生として、衣笠キャンパスにて33名、びわこ・くさつキャンパス21名が活動している。スタッフと称しているが、金銭的な報酬は支払われないものの、選考を経た後、大学が設置した機関のメンバーとして、年2回開催される合宿の最後に、センター長から「任命」の証書が渡され、各々の自覚と責任が喚起されている。
昨年度まではびわこ・くさつキャンパスの所属だった私も、今年度から衣笠キャンパスの所属となり、両キャンパスの組織風土の違いを見てきた。ただ、両キャンパスともに、特に気になってきたのが、明確な意思決定の構図が定められてこなかったことである。すなわち、「リーダー」は置いても「トップ」を置いてこなかったのだ。そのため、今年度から設置された「代表」や「副代表」の職にあたる人々には「ダンドリスト」という呼び名が付けられ、事態を前に進めていくための集団として維持・発展がもたらされてきた。
リーダーとトップとのあいだでは、異なる言葉であるから当然なのだが、役割や職責が異なる。その違いを明確にするために別の表現で言い換えるなら、統率者と統括者は異なる。統率を取るものは複数いてもよいが、統括をするものが複数いては、組織全体が機能しない場合がある。リーダーの対義語はフォロワーであり、トップの対義語はボトムかもしれないが、トップには「the top」つまり、最高位からの序列が存在する。
午後からはサービスラーニングセンターの運営会議であったが、ここでも「サービスラーニングセンター長」という、絶対的なトップが存在する。転じて、センターの事業や授業をリードするリーダーは複数いる。もちろん、組織にはそれぞれの文化があっていいのだが、それが我流ではなく亜流になったとき、集団の活性化への芽が摘まれてしまうだろう。要するに変わらぬ「型」を尊重し、自らの「流儀」を追究する、その両者があってこそ、組織の文化は深まるだろう。