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2017年4月6日木曜日

「フルストップを入力せよ」

デンマークでの生活環境だけでなく、オールボー大学での研究環境も整いつつある。全ては個人番号(CPR No.)の取得に始まるのだが、実は番号そのものは、日本のデンマーク大使館から届いた滞在許可の書類に示されていた。6ケタの数字の後、4ケタの数字が並ぶのだが、前の6ケタは生年月日から構成されている。後ろの4ケタが何らかの法則(法則がないという法則、つまりランダムなのかもしれない)で振られているのだが、この個人番号でプライバシーが暴かれる、という方向よりも、これでプライバシーが守られる、と考えられるのは、政府に対する高い信頼があるからかもしれない。

そんなわけで、住民登録をしたことで、改めてCPR No.が書かれた証書を手にしたと大学に伝えると、メールアドレスやIDの発行手続きが進められていった。特に書類を書くわけでもなく、原本を提出する必要もなく、擬態語を使うならサクサクと進んでいく。それでも、ID用の写真は実際にオフィスに赴いて撮影しなければならないようで、朝から大学に向かった。ちなみに、撮影から発行の段取りを取ってくれる係の方(英語の案内メールではJanitorとあったので、直訳すれば用務員となってしまう…)は、いくつかの学部の建物の管理も担っているようで、「9から10時か13時から13時50分のあいだに」との指示が届いた。

指示の主であり、もろもろの手続きを進めてもらっているのは、文化心理学の研究センターでリサーチコーディネーターという職にあるスタッフなのだが、ID用の写真撮影の前に、メールアドレスの設定ができた、という案内が届いていた。そのデフォルトパスワードもまた、CPR No.をもとに作成したものであるとされていた。もちろん、そのままではなく、いくつか、追加で入力が必要とされていた。それなりにパソコン関係には詳しいので、戸惑うことなくできると思っていたが、いっこうに繋がらない。

ということで、写真撮影の手続きの折、彼に「ハイフンはいらないよね?」などと確認しながら、「何度やってもつながらない」とボヤくと、「フルストップをちゃんと入力しないと」と、横からキーボードを叩いてくれた。フルストップとは、いわゆる「ピリオド」のことだった。何のことはない、今となっては「with a full stop both before and after」の意味がわかるのだが、試行錯誤の最中には、まったくもって気づかない視点だった。そんな今日は、晴れてオールボー大学コミュニケーション心理学部のメールアドレスの開通記念日である。