以前、應典院に身を置いていた頃、コモンズフェスタの実行委員に参加いただいた陸奥賢さんに「それだけ多くの現場があって、よくやりくりできていますね」と訊ねたことがある。かくいう私もまた、複数の所属があり、複数のプロジェクトが同時に進行しているのが日常である。そんな私から見ても、多彩な活動に取り組んでいる陸奥さんに伺ってみたのだ。すると、意外なことばが帰ってきた。
「一日一つしか、予定をいれないようにしているんです。」目から鱗が落ちるとはこういうときに使う言葉なのか、と感じた。訊ねたのは2012年か2013年だったように思うのだが、その後、活動の幅が広がった陸奥さんに「今でも一日一つですか?」と訊ねたことがある。すると「いや、もうさすがに…」と返ってきて、「やっぱり」と「あらら」の思いが入り交じった。
デンマークに来て、余裕のある暮らしを送らせていただいている中、「一日一つは何かを仕上げる」ようにしている。それに加えて、この日記など、毎日続けることがきちんと続くように努めている。ちなみに、その一つが、この数日は欠かさずできている「アイソメトリクス(isometrics)」のエクセサイズである。あまりにゆるんだ、たるんだ身体をなんとかしたい、と思って、こちらに来てから始めたことだ。
そうした中、今日は、デンマークの滞在のため出席できない場でのあいさつ原稿を作成した。5月11日までには、という指示を受けていたが、早々に着手し、仕上げることができた。そんな余裕からか、昼食を自ら進んで準備することにした。もっとも、それは妻が現地の方からお声掛けをいただいたことで外出となり、その不可抗力のようなものとも言えないわけではないのであるが、自分のことは自分でやる、そうした自活のリズムを取り戻していくことも、この滞在期間中の、締切のない課題の一つである。