毎月25日は北野天満宮の縁日である。「天神さん」と呼ばれてしたしまれており、25日は「天神さんの日」として市が立つ。学問の神さまで知られる菅原道真さんをお祀りしているため、生まれた日(6月25日)と亡くなられた日(2月25日)がともに25日ということに由来しての市日であるという。そのため毎月25日には、多くの人で界隈は賑わっている。
しかし、緊急事態宣言のもとということもあり、今日の市日は中止と発表されていた。それゆえ、終日、界隈は静けさを保っていた。もちろん、その静けさは今日だけではない。コロナ禍以降、上七軒と呼ばれるお茶屋さんが並ぶ町並みには静けさが保たれている。
今日は2件のミーティングがあった。共にZoomであった。私は自宅からつないだが、2つとも、ホストとなられた方は職場から参加しておられた。京都も含めて、緊急事態宣言は2月末で解除の方向に向かう、とされているが、果たして緊急の事態は脱したと宣言していいのか、そもそも緊急事態とは何かを冷静に考えてみる必要がありそうだ。
ミーティングを終えて少し外に出ると、犬を連れて散歩する方お一人の姿が見えた。ほぼ日没の時刻にもかかわらず、極めて閑散とした風景だった。一方でこの前の週末には、受験の願掛けのためか、他府県ナンバーを含めて駐車場の入庫待ちの車が正面の参道の鳥居側の門前に並んでいた。菅原道真公が亡くなられた延喜3年2月25日は、西暦では903年3月26日となるようだが、来月の縁日がどのような風景となるのかの見当がつかない以上に、はてさて1,118年前はどのような町並みだったのかの想像のつかなさに、時間の流れの尊さを思う静かなる縁日であった。