確かに「愛車」と呼べる車に乗っているものの、私にとってはカメラも、また一部の携帯電話なども、「愛機」と呼ぶことができるものを使っている。カメラについてはニコンF3Pの新品を高校時代に偶然にも入手して愛機となり、京都で住み始めてから日沖宗弘さんの『プロ並みに撮る写真術』でリストアップされていたオートニッコール(Ai改)レンズを木屋町三条のムツミ堂や大阪駅地下の八百富写真機店に足繁く通いながら買い足して愛着を深めていった。携帯電話については、1995年から約10年にわたって既PDC方式のデジタル端末「ムーバM」(モトローラ製)を愛機として活用し、既に800MHz帯の電波が停波されて久しいものの、電話番号を抜かずにいたものを今なお手元に残している。また、眼鏡研究社のメガネ、腕時計ではセイコーのパワーデザインプロジェクトの1つなど、使い続けている愛着の深いものを挙げていけば切りがない。
今日、約2年ぶりに携帯電話、というか、スマートフォンの機種を更新した。iPhone mini 12である。マニアの方であれば型番の最後が「VC/A」ゆえに、カナダ向けの端末であることにお気づきかもしれない。2020年11月28日に注文したものが、2月18日にFedexに出荷伝票の登録、ケベック州(SAINT HUBERT)の店からセンター(MIRABEL)に荷物がついたのが2月24日で、インディアナポリス、アンカレッジを経由して関空に3月1日着、そして本日、日本郵便を通じて手元についた。
今日は古巣である大学コンソーシアム京都のお仕事で、約30分、Zoomでプレゼンテーションを行った。今日の到着は偶然ではあったものの、少なくとも愛着を深めやすいストーリーが付与されたように思う。何より、スティーブジョブズが最後に直接発表したiPhone 4、そして亡くなる前日の発表となったiPhone 4Sに通じる角張ったデザインが気に入っている。しかし、いただけないのが、背面のカメラの出っ張りで、これが嫌で未だにiPad miniを愛用し続けていること、さらにはiPhone mini 12にはジョブズが否定したケース(しかも純正のケースが販売されていることを激高するのではないかと想像しつつ)をつけて、背面がフルフラットになるようにして愛で始めている。