あれから24年、今日は在学中に世界を旅した学生の話題提供を聞く機会を得た。午前中にシティズンシップ共育企画のZoom企画に参加し、かかりつけ医の診察を受けた後、立命館大学文学部4回生の岩本心さんが話題提供を行う大阪府茨木市の環境政策課の事業「エコカフェ」に参加したためである。新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、YouTube Liveでの配信ということになったものの、2020年11月に茨木市市民活動センターによる講座「SDGsって何?」にお招きいただいた関係で、スタッフの一員という位置づけのもと、会場での聴講にお声かけをいただいたのである。岩本さんについては、立命館大学の学生紹介コーナー「+Rな人」で「人生で“本当の幸せ”と向き合う場を~世界一貧しい元大統領が教えてくれたこと~」と丁寧に紹介されているとおり、ウルグアイのムヒカ元大統領のもとを訪れるという行動力の持ち主である。
24年前の私も、比較的行動力が高い方であったと思われる。しかし、このときの渡航でオークランドにオフィスを構えていた日本太平洋資料ネットワーク(JPRN)に訪問した際、その後の人生の糧となった出来事を経験した。というのも、中村先生を通じて、JPRNのこと、またJPRNが発行していた情報誌「GAIN」の内容、それぞれに感銘を受けていたため、いわゆるアポ無しでの訪問をしたためであった。設立者の柏木宏さんは不在で、後にJUCEEを立ち上げる今田克司さんが偶然にもおられたので対応いただいた。
挨拶に続き、しばらく言葉を交わした後にJPRNのオフィスで今田さんに言われたのは、「What can I do for you?」だった。要は「情報が欲しい」なら日本からでもインターネットで検索すれば膨大な量が手に入れることができるし、このオフィスにある本を見たいなら見ればいい、何か質問があるなら質問をして欲しい、ということだった。私は単に「まちを見たい」「雰囲気に浸りたい」「風を感じたい」という、極めて漠然とした、また自己完結した思いのもとで足を運んだために、向き合う相手に求めることがなかった、という具合だ。あれから24年、なかなか誰かに「助けて」と頼むことが難しいということを踏まえつつ、「助かった」と思えるような人間関係を紡ぐことができるよう、仮に曖昧で漠然とした思いを持っている人にも寛容であろうと肝に銘じているつもりである。
長らく続いた「エコ"カフェ"」事業は一旦終了でのようで続きは「エコ"バー"」かも…
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