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2014年3月3日月曜日

finishしていないけどfinnishの国へ

年度末である。世の中は消費税増税前の駆け込み需要が高まっているというが、私にとってはいつものとおりの年度末である。思い出したかのように、いくつもの物事と出来事が動く。自ずと、電話やメールも多くなる。

そんな時期にもかかわらず、この1週間はフィンランドで過ごすことにした。立命館大学研究部による「研究高度化推進制度」による「研究力強化」事業「研究推進プログラム」の「若手研究」枠で支援をいただいたためである。「地域参加型学習におけるシチズンシップ涵養のためのインター・コミュニケーションモデルの構築」という大仰な課題を掲げ、採択を受けた。PISAによる国際比較により教育面で注目が集まったフィンランドだが、個々の能力の向上ではなく、個々が他者と共に展開可能性を高める合う関係づくりがなされているだろうという問いから、青少年支援についての視察を行うことにしたのだ。

今回でフィンランドは2回目の渡航である。前回は2008年で、同志社大学に在職していた。そのため、ソーシャル・イノベーションに焦点を充て、ヘルシンキ市内にてイルッカ・タイパレ博士へのインタビューと、フィスカルス村でのアートプロジェクトのフィールドワークを中心とした。その成果はささやかながら、同志社大学大学院総合政策科学研究科の紀要に「well-designedな生活スタイルの実現 : フィンランドにおけるソーシャル・イノベーションの源流を見つめて」と題して投稿している。

ちなみに今回の渡航では、もう一つ、エコヴィレッジへの往訪も盛り込んでいる。こちらは昨年度から取り組んでいる文部科学省による科学研究費基盤研究(A)「地域のまちづくりと連携した市街地型公的住宅団地の再生に関する研究」の一環で、である。2008年から英語力が飛躍的に向上していれば、ヘルシンキ大学のユーリア・エンゲストローム先生のもとを訪れたいところであるが、これは英語論文の1つでも書いた後にしようと決意しつつ、まずは手元のタスクリストを一つずつ片付けていかねばならない。ちなみに今回の調査は今年度末までは立命館大学サービスラーニングセンターの同僚である川中大輔先生と共に行うのだが、フィンランドまでのフライトでは何と電源が用意されていたという、何とも追い込みへの準備が行き届いた環境に驚いている。