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2018年2月3日土曜日

撒き餌に群がる

異国で暮らすということは、異文化に触れることでもある。1年間のデンマーク暮らしにおいても、時折、驚くような場面に出会うことがあった。その中で、今日、出会った場面は、かなり強烈なインパクトを残すものだった。何せ、目の前の風景が突如として変わったのだ。

昨日から始めた2月中旬のアメリカ出張のための準備において、今日は2月15日に予定されているコネティカット州のウェズリアン大学でのミニレクチャーの資料作成を始めた。今回、お示しいただいたテーマは災害復興である。とりわけ、福島の現状に高い関心があるとも伺っている。日本を離れているあいだにどのような変化が起きているかの経過を追い、最新の数値を集め、講演の素材としてまとめていく必要がある。

そうして資料作成の構想を自宅のテーブルで練っていると、突如として窓の外に数多くの鳥たちが飛び交うようになった。不思議に思って、窓に近づいて外を見てみると、階下の部屋の方が、何かを芝生へと巻いていた。白いスナックのように思われた。恐らく、昨夜のパーティーか何かのおつまみで出したものの残りなのではなかろうか。

わずかな量のお菓子に、あちこちからカモメやハトが狙いをつけて到来した。とはいえ、互いの個体は奪い合うのではなく譲り合っているようにも見えた。共有の地である芝生エリアに投げられたお菓子は、あっという今に無くなったものの、当の1階に住む方は、さらにお菓子を投げていった。果たして、それが残りものだったのか、余りものだったのか、知るよしもないが、突然の出来事に圧倒させられた瞬間であった。