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2015年10月2日金曜日

トリガー

例えば戦略にしてもシンクタンクにしても、何かを分析し目標を定め計画を練るといった行為を表す言葉には、軍事用語として用いられたものが多い。この夏、異例の会期延長により国会で審議されてきた「平和安全法制」の整備にあたり、よく用いられた兵站という言葉もその一つである。このような言葉は当初は比喩として用いられるが、やがて用いられた対象にあわせて新たな意味をまとい、軍事以外の場面で定着していくことになる。比喩を手がかりにネットワーク組織のグループ・ダイナミックスを検討してきたこともあり、興味深いテーマである。

銃の引き金を意味するトリガーという言葉また、ある種、日常生活の中で用いられる言語になったものの一つであろう。今日は朝から衣笠キャンパスに向かい、サービスラーニングセンターによるインターンシップ・プログラムの最終報告会のあり方について議論し、投稿中の査読付論文を改稿するにあたり共著者との打合せと続いた。そして、お昼はキャンパス東門近くのお店でいただいたが、久しぶりに入ったそのお店は、今はお昼は日替わりしか扱っていないようで、座るなりメニューが決まっているもようであった。よって、このお店では、お客さんが来て座るという行為が、食事を用意するトリガーとなっている、と表現できる。

午後からは朱雀キャンパスで災害復興支援室の事務局会議であった。災害復興支援室は2011年4月21日に設置されるにあたり、立命館における2011年度から2020年度までの中長期ビジョン「R2020」の前半期課題の一つを担うこととされた。もちろん、現地は救援・復旧から復興のモードとなって久しい。しかし、大規模・広域・複合型災害ということもあって、各地域との関わりを一律に5年という区切りでやめてしまうなどといったことは、真にもって、こちらの都合に他ならない。この夏、宮古では新たに整備される「道の駅たろう」にて仮設集会所ODENSEの建設を重ねてきた理工学部の宗本晋作先生の取り組みが評価されたことで研究室を中心に産直品の販売施設が建設され、大船渡の盛町灯ろう七夕まつりでは「立命館大学」の名が入った大きな提灯が飾られた山車がまちを引き回され、気仙沼では唐桑の鮪立湾を見渡す素敵な場所にツリーハウスが建設され、それらをトリガーとして、新たな支援のモードと、具体的なメニューが求められている段階にある。

そして夜は、阪神・淡路大震災当時に共に活動したボランティア仲間の縁結びにより、長岡京でこれからの市民活動を考える講演会の基調講演の講師に招いていただいた。およそ3年前から、現場に注力しようという思いを理解いただき、外部の委員や講演については遠慮をさせていただいてきている。10団体から45名の参加により、満場となった会場の風景は、市民活動を支えるのは市民であるという自らの原点を想い起こすトリガーとなり、いただいた1時間で精一杯お話をさせていただいた。講演の後、5団体から活動紹介のリレーが続いたが、その後、ささやかなコメントを述べると、多くの方に名刺を求めていただくという、つながりのひろがりにありがたさを思うご縁となった。


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