今日は朝からオールボー大学で年に1回開かれている「Teaching Day」に出かけた。さしずめ、全学でのFD(教授能力開発)の取り組みなのだろう。昨年のテーマはICTの進展などにかかわって「未来の学生にどう備えるか」(Preparing students for the future)だったが、今年は「オールボー大学でのPBL:これまでの実践と将来の展望」(PBL at AAU – Current Practices, future directions)であった。なんと、幸運なことだろうか。
基調講演は英国、ウスター大学(University of Worcester)のマギー・サヴァン-ベイデン(Maggi Savin-Baden)先生による「PBLを導入するということ:21世紀に適した学びの星座を手がかりに」(Using Problem-Based Learning: New Constellations for the 21st Century)であった。1996年にPBLで博士論文を執筆した際には、数えるほど(2〜3と仰っていたと思われる)が、今日は会場も満場で、人々の関心の高さはここからも明らかだ、と、ご自身にまつわる「つかみ」を枕に、(1)バーチャルな空間での学びと現場での学びをどうつなぐか、(2)参加型学習の方法論にはどういうものがあるのか、(3)学際的なプロジェクトの敷居(threshold)は何か、の3点について、1時間で語られた。サヴァン-ベイデン先生の研究は、昨日のAnette先生のセミナーでも触れられていたが、その際には示されていなかったものとして、「星座」を比喩にPBLの形態を9つに整理したものが興味深かった。最後は「教員もまた、誰かかから教わるのではなく、あえて知ろうとすること」(daring)つまり、「一人ひとりが考えていくことが大切」と締められた。
基調講演の後は、休憩を挟みつつも、そのまま全体会としてオールボー大学のPBLアカデミーによる取り組みの紹介、そして1時間の分科会、ランチ、そして1時間半の分科会と続いた。全体会でのPBLアカデミーからの発表は、大学の中期戦略(2016年から2021年)に基づき、(1)多文化共修におけるPBL、(2)初年次教育におけるPBL、(3)セメスター単位でのPBLの推進、それらについて示された。午前は4つ、午後は3つの分科会が設定されていたが、私は、午前中には「PBLと共にある学生の能力開発」(Developing Student Competencies with PBL)、午後には「PBLと社会参加型学問」(Connecting PBL and Engaged Scholarship)に参加した。午前中にはBloom's Taxonomy(学びの階層構造:クリエイティブコモンズとして権利処理されている画像を使用)とDreyfusらによる精神的機能からみた学びの5段階モデル(A Five-Stage Model of the Mental Activities Involved in Directed Skill Acquisition) を、午後にはAndrew H. Van de Venが2007年に示した事例研究と実践にまつわる「ダイヤモンドモデル(diamond model)」が紹介され、意見交換が行われた。
昨日と今日と、連続してセミナーに参加しているが、どんな場面でも「発言」が求められる。基調講演でも「さて、どんな未来が待っているの?近くの人と語りあってみて!」と言った瞬間に、ドゥワーっと、会場に声がこだました。基調講演ではJay Shettyによる「自分から世界を変えていこう」(Changing the world starts with you)の動画なども用いられたが、とにかく、自分の意見を他人と共に交わしていくことが当然のこととされる文化が根ざしている。おなじ「かわす」でも、グループワークなどから身を躱すことに慣れているような日本の学生たちに果たしてどう向き合っていくか、課題は大きい。
基調講演は英国、ウスター大学(University of Worcester)のマギー・サヴァン-ベイデン(Maggi Savin-Baden)先生による「PBLを導入するということ:21世紀に適した学びの星座を手がかりに」(Using Problem-Based Learning: New Constellations for the 21st Century)であった。1996年にPBLで博士論文を執筆した際には、数えるほど(2〜3と仰っていたと思われる)が、今日は会場も満場で、人々の関心の高さはここからも明らかだ、と、ご自身にまつわる「つかみ」を枕に、(1)バーチャルな空間での学びと現場での学びをどうつなぐか、(2)参加型学習の方法論にはどういうものがあるのか、(3)学際的なプロジェクトの敷居(threshold)は何か、の3点について、1時間で語られた。サヴァン-ベイデン先生の研究は、昨日のAnette先生のセミナーでも触れられていたが、その際には示されていなかったものとして、「星座」を比喩にPBLの形態を9つに整理したものが興味深かった。最後は「教員もまた、誰かかから教わるのではなく、あえて知ろうとすること」(daring)つまり、「一人ひとりが考えていくことが大切」と締められた。
基調講演の後は、休憩を挟みつつも、そのまま全体会としてオールボー大学のPBLアカデミーによる取り組みの紹介、そして1時間の分科会、ランチ、そして1時間半の分科会と続いた。全体会でのPBLアカデミーからの発表は、大学の中期戦略(2016年から2021年)に基づき、(1)多文化共修におけるPBL、(2)初年次教育におけるPBL、(3)セメスター単位でのPBLの推進、それらについて示された。午前は4つ、午後は3つの分科会が設定されていたが、私は、午前中には「PBLと共にある学生の能力開発」(Developing Student Competencies with PBL)、午後には「PBLと社会参加型学問」(Connecting PBL and Engaged Scholarship)に参加した。午前中にはBloom's Taxonomy(学びの階層構造:クリエイティブコモンズとして権利処理されている画像を使用)とDreyfusらによる精神的機能からみた学びの5段階モデル(A Five-Stage Model of the Mental Activities Involved in Directed Skill Acquisition) を、午後にはAndrew H. Van de Venが2007年に示した事例研究と実践にまつわる「ダイヤモンドモデル(diamond model)」が紹介され、意見交換が行われた。
昨日と今日と、連続してセミナーに参加しているが、どんな場面でも「発言」が求められる。基調講演でも「さて、どんな未来が待っているの?近くの人と語りあってみて!」と言った瞬間に、ドゥワーっと、会場に声がこだました。基調講演ではJay Shettyによる「自分から世界を変えていこう」(Changing the world starts with you)の動画なども用いられたが、とにかく、自分の意見を他人と共に交わしていくことが当然のこととされる文化が根ざしている。おなじ「かわす」でも、グループワークなどから身を躱すことに慣れているような日本の学生たちに果たしてどう向き合っていくか、課題は大きい。