コペンハーゲン、カストラップにある「アマーネイチャーセンター」にお邪魔した。さっぽろ青少年女性活動協会の皆さんによる自然学校と野外学校の視察に混ぜていただいたのである。既にスウェーデンで「I Ur Och Skur」(直訳すれば「In all weathers」だが、いわゆる森の幼稚園)と、ニュネスハムン自然学校、晴れでも、ストックホルムのニュネスハムン自然学校などを訪問して、このネイチャーセンターにあるトーンビュー自然学校(Tårnby Naturskole)を伺うという日程が組まれていた。毎年夏の高校生ミーティングでお世話になっている北海道のNPO法人当別エコロジカルコミュニティーの山本さんから、スウェーデンの自然学校にも訪れては、とお誘いをいただいたのだが、もろもろの予定から、コペンハーゲン郊外の視察のみ、混ぜていただいた。
ネイチャーセンターとは国立自然公園と捉えて理解すればよく、その自然公園の中に自治体の(アマーネイチャーセンターはコペンハーゲンとトーンビューが隣接するため、両自治体が設置する)の施設や、民間団体との協働運営の施設(中には社会的企業によって障害のある方が積極的に働いているレンタサイクル店なども)、そして国の施設が置かれ、それぞれ効果的な連携により、体験と学びの場が運営されている。デンマークにはこうしたセンターは全国に30ほどあり、概ね自治体ごとに自然学校を設置するため、全国で100ほどの自然学校があるという。年間で8000人ほどの来場者があるというが、ちょうど地域の小学校で校外学習のプログラムが実施される日だったようで、お昼頃に到着すると、この日だけで200人ほどのこどもたちが、25平米という広大な公園で、それぞれに楽しんでいる様子を見ることとなった。私たちもまた、3Dメガネを着用しての疑似体験プログラムや、丸太を使ったバイキングゲームなど、多方面にわたる取り組みを楽しませていただいた。
主に案内をいただいたのは自然学校の代表で生物学者のJacob Jensenさんで、自己紹介とネイチャーセンターと自然学校に関する概要の説明と、施設案内を担っていただいた。途中、チムニーケトル(煙突効果で早く湯が沸くポット)でのコーヒーブレイクも入れ、5時間ほどの滞在を楽しむことができた。ヤコブさんによれば、このセンターは長らく地域に根ざす取り組み(Anchoring/デンマーク語では"Forankring")が行えるよう、自治体による学校制度とうまく絡みながら(Governing Statutes/デンマーク語では"Styrelsesvedtægt")、政治家等とも対話を重ね("Political board"/デンマーク語では"politisk bestyrelse") 、多くの人たちに対して(user groups/デンマーク語では"brugergrupper")生物多様性への助言と環境づくりに力点を置いてきているという。実際、周辺には8つの小学校と40の幼稚園があるそうだが、密接に関わりあっている様子を、実際に幼稚園のこどもたちのプログラムにもお邪魔させていただいたところ、Nature Ambasadeor(と英語で仰っていた立場で、日本語では環境コーディネーターなどと言う方が適切と思われる、ちなみに各幼稚園で1人は担うこととなっており、70人以上の園児になると2人となるらしい)の研修を終えた先生が、細やかな配慮を重ねながら場づくりにあたっていた。見学を終えて、視察に訪れたメンバーとの対話の時間で、「3人しかいないスタッフで多様な人々をどう支援しているのか」と質問が投げかけられたところ、「概ね8人のグループワークを基本にしていて、道具の使い方、知識の掘り起こし、そして活動の意味づけなどを行うが、最も大事にしているのは、国の施設で体験学習がなされる以上、福祉制度のもとで社会包摂(social inclusion) が実現されるようにすること」と回答がなされた。
ヤコブさんには夕食にもおつきあいをいただいた。お連れをいただいたのは、以前、今は郊外にお住まいのヤコブさんがご家族で暮らしていた界隈(Vesterbro:ヴェスターブロ
のSønder boulevard:スナブールバール?通り)にある「Folkehuset Absalon」(Folkehusetは直訳では「folk house」、さしずめ「私設公民館」)である。デンマーク語版のWikipediaによれば、かつてのアブサロン教会が2012年に雑貨店「フライングタイガーコペンハーゲン」のオーナー(Lennart Lajboschitz:レナート・ライボシツ)さんに売却され、以前の信者の皆さんも2014年には徒歩10分ほどのところにある別の教会(Enghave Kirke:エンゲーブ?教会)に移った後、2015年の8月から今のようなコミュニティセンターとして使われるようになったという。AbsalonのFacebookページのカバー写真に「din udvidede dagligstue(Your extended living room:あなたの居間のようにどうぞくつろいで、というメッセージ)」とあるように、昼間は卓球やボードゲームで、夜は17時開場・18時開始の50クローネでのディナータイム(月曜日と水曜日はベジタリアン、金曜日は100クローネのスペシャルメニュー、100席で、1テーブル8人の相席が原則、予約は不可)が用意されている。「2回しか来てないけど、みんなを連れてくるにはいいと思って」とヤコブさん、スタッフの方を近くに呼んでいただいて、Absalonの説明もお願いしていただいたところ、「失業中の人の隣に求人中の人がいるかもしれないし、向い合うのがパレスチナの人とイスラエルの人かもしれない、かつて教会が担っていた出会いと交流の機能を現代的に取り戻そうとしたらこうなった」と述べられ、何とも物語が豊かな場に身を置くことができた一日となった。
ネイチャーセンターとは国立自然公園と捉えて理解すればよく、その自然公園の中に自治体の(アマーネイチャーセンターはコペンハーゲンとトーンビューが隣接するため、両自治体が設置する)の施設や、民間団体との協働運営の施設(中には社会的企業によって障害のある方が積極的に働いているレンタサイクル店なども)、そして国の施設が置かれ、それぞれ効果的な連携により、体験と学びの場が運営されている。デンマークにはこうしたセンターは全国に30ほどあり、概ね自治体ごとに自然学校を設置するため、全国で100ほどの自然学校があるという。年間で8000人ほどの来場者があるというが、ちょうど地域の小学校で校外学習のプログラムが実施される日だったようで、お昼頃に到着すると、この日だけで200人ほどのこどもたちが、25平米という広大な公園で、それぞれに楽しんでいる様子を見ることとなった。私たちもまた、3Dメガネを着用しての疑似体験プログラムや、丸太を使ったバイキングゲームなど、多方面にわたる取り組みを楽しませていただいた。
主に案内をいただいたのは自然学校の代表で生物学者のJacob Jensenさんで、自己紹介とネイチャーセンターと自然学校に関する概要の説明と、施設案内を担っていただいた。途中、チムニーケトル(煙突効果で早く湯が沸くポット)でのコーヒーブレイクも入れ、5時間ほどの滞在を楽しむことができた。ヤコブさんによれば、このセンターは長らく地域に根ざす取り組み(Anchoring/デンマーク語では"Forankring")が行えるよう、自治体による学校制度とうまく絡みながら(Governing Statutes/デンマーク語では"Styrelsesvedtægt")、政治家等とも対話を重ね("Political board"/デンマーク語では"politisk bestyrelse") 、多くの人たちに対して(user groups/デンマーク語では"brugergrupper")生物多様性への助言と環境づくりに力点を置いてきているという。実際、周辺には8つの小学校と40の幼稚園があるそうだが、密接に関わりあっている様子を、実際に幼稚園のこどもたちのプログラムにもお邪魔させていただいたところ、Nature Ambasadeor(と英語で仰っていた立場で、日本語では環境コーディネーターなどと言う方が適切と思われる、ちなみに各幼稚園で1人は担うこととなっており、70人以上の園児になると2人となるらしい)の研修を終えた先生が、細やかな配慮を重ねながら場づくりにあたっていた。見学を終えて、視察に訪れたメンバーとの対話の時間で、「3人しかいないスタッフで多様な人々をどう支援しているのか」と質問が投げかけられたところ、「概ね8人のグループワークを基本にしていて、道具の使い方、知識の掘り起こし、そして活動の意味づけなどを行うが、最も大事にしているのは、国の施設で体験学習がなされる以上、福祉制度のもとで社会包摂(social inclusion) が実現されるようにすること」と回答がなされた。
ヤコブさんには夕食にもおつきあいをいただいた。お連れをいただいたのは、以前、今は郊外にお住まいのヤコブさんがご家族で暮らしていた界隈(Vesterbro:ヴェスターブロ
のSønder boulevard:スナブールバール?通り)にある「Folkehuset Absalon」(Folkehusetは直訳では「folk house」、さしずめ「私設公民館」)である。デンマーク語版のWikipediaによれば、かつてのアブサロン教会が2012年に雑貨店「フライングタイガーコペンハーゲン」のオーナー(Lennart Lajboschitz:レナート・ライボシツ)さんに売却され、以前の信者の皆さんも2014年には徒歩10分ほどのところにある別の教会(Enghave Kirke:エンゲーブ?教会)に移った後、2015年の8月から今のようなコミュニティセンターとして使われるようになったという。AbsalonのFacebookページのカバー写真に「din udvidede dagligstue(Your extended living room:あなたの居間のようにどうぞくつろいで、というメッセージ)」とあるように、昼間は卓球やボードゲームで、夜は17時開場・18時開始の50クローネでのディナータイム(月曜日と水曜日はベジタリアン、金曜日は100クローネのスペシャルメニュー、100席で、1テーブル8人の相席が原則、予約は不可)が用意されている。「2回しか来てないけど、みんなを連れてくるにはいいと思って」とヤコブさん、スタッフの方を近くに呼んでいただいて、Absalonの説明もお願いしていただいたところ、「失業中の人の隣に求人中の人がいるかもしれないし、向い合うのがパレスチナの人とイスラエルの人かもしれない、かつて教会が担っていた出会いと交流の機能を現代的に取り戻そうとしたらこうなった」と述べられ、何とも物語が豊かな場に身を置くことができた一日となった。