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2017年9月20日水曜日

お仲間と出会いつながる手法

日本心理学会1日目、さっそくポスター発表が当たっている。今日は朝一番のプログラムにも参加できるように会場に向かったものの、残念ながら参加は叶わなかった。サトウタツヤ先生によるワークショップだったのだが、事前申込みが殺到し、当日参加は不可とされていたのだ。まるでアイドルの追っかけのように会場で「出待ち」をし、ご挨拶をしてからポスター会場に掲出しにいった。

日本心理学会では一般発表はポスター発表のみとなっている。ただ、このところ国際学会でもポスター発表を好んで選ぶようにしている。何となく、ポスター発表と口頭発表に格付けをしたい人もいるように思われるが、実際はポスター発表の方が、関心のある方に出会い、語りあう機会が得られているように思う。それは原著論文と研究ノートとのあいだで上下の関係があるわけではなく、あくまで結論が出されたものが原著論文、研究にあたっての結果や先鋭化なされた問題を提示するものが研究ノート、そうした性格の違いとして位置づけられることと似た構図にあるように思われる。


今回「共感不可能性を前提とした被災地間支援の方法論の実践的研究 : 熊本と新潟を事例に」と題し、関西学院大学の関嘉寛先生との共同のポスター発表には、14名の方にご関心をいただいた。例えば、「個別の災害に対する各地の個別性のなさがどこまで被支援〜支援の関係の反転に影響するか」(奈良の方)、「自らが直接支援者にならなくとも託したい相手が見つかることで気が楽になることは実感としてわかる」(宮城の方)、「災害の被災地の物理的な距離に対して行動するか否かは個人的な要因が強く影響するのか、また災害以外でも海外ボランティアへの動機付けなどとも関連があるのではないか」(東京・青山の方)、「役割や責任がまわりから囃し立てられるのはつらいということは身につまされる」(熊本の方)といった言葉を得ることができた。特に発災から時間が経過すれば、救援モードから復興モード、そしてまちづくりのモードへと、物事への向き合い方が変わっていく。いくつかの現場に関わり続けることができ、それらを通じて得た知見を、より明快に整理していかねばと発意する機会となった。

ポスター発表の後は遅めの昼食を会場近くでいただいて、シンポジウムの聴講の後、立命館大学心理系懇親会というものに足を運んだ。今年で33回目となる懇親会で、立命館に学ぶ人、学んだ人、働く人が集う場だという。学部と修士は立命館の土木系で、博士は大阪で取得した上、今の所属は学部ではなく全学教養ということもあり、何ともルーツからは外れた者を、この数年、毎年お誘いをいただいていた。2年後には総合心理学部がある大阪いばらきキャンパス(OIC)にて日本心理学会第83回大会が開催されることが決定しており、お仲間に入れただいた恩返しとして、微力でも何らかの貢献ができればと発意するところである。