3連休の最終日、京都御所の横の「とらや」のギャラリーにお邪魔した。京都一条店に併設されたスペースで、建築は2009年に内藤廣さんの手によるものである。昨年夏に訪れた福井県年縞博物館にも通じる、低層で品のある空間である。ちなみに立命館大学は福井県と2015年に「年縞を基にした研究等に関する基本協定書」を締結しており、福井県年縞博物館には立命館大学. 古気候学研究センター福井研究所も設置されている。
とらやギャラリーでの目当ては「明珍阿古 襲名披露『王朝の鎧』展 」だった。「一般社団法人よろいのや」の主催で、平安時代からから続く甲冑師の第二十五代宗家・明珍宗恭先生のもと、明珍阿古を襲名された記念の展示会であった。この展示会を協賛する株式会社細尾の細尾真生会長のお誘いをいただいたのである。ちなみに日本とインドネシアを結ぶ「てこらぼ」プロジェクトでご一緒させていただいている細尾会長は、コロナ禍の中、2020年8月に社長から会長職となられた。
今回の展示の目玉が、フランス南部で飼育されていた蚕品種「セヴェンヌ」による都よろいである。都よろいとは京の組紐などが用いられた鎧で、戦闘用ではなく宮中の護衛などに用いられてきたものであるという。鎧はもとより、京都の伝統についても専門ではないものの、素人目に見ても気品に満ちた雰囲気に包まれていた。時間があれば、菓寮で一息つくことができると贅沢なときを過ごすことができたものの、午後からの研究会の準備もあって、程なく失礼をさせていただいた。
午後は科研費による共同研究プロジェクトの研究会だった。立命館大学文学部の北出慶子先生を代表とする「日本語支援者の学び解明と促進を目指した多文化サービスラーニングの開発」というもので、3年間の折り返し地点にある。今日は前回までに作成された図解に対して私がコメントをする日であったため、当初の分析内容の深化がもたらされるよう、修正版の図解を提示させていただいた。オンラインでの対話を通じて、品の良い議論をもたらすことができたかどうかは、2月3日に予定されている次回の研究会で明らかとなるだろう。
京都は防火用のバケツの水が凍るような朝だった
(Nikon D40, 40mm, f6.3, 1/160, ISO400)