まずは馴染みのカレー屋さんに向かった。かつての住まいの徒歩圏内で、馬蹄形の長テーブルにカウンター席だけのお店で、朴訥なマスターが接客をするお店である。土日や祝日などにはお連れ合いと思われる方がオーダーを取り、コップの水が進んでいるとすかさず入れてくださった。ただ、引っ越し後にも何度かお邪魔しているものの、このところ、お目にかかれてはいない。
その後、これまた行きつけのパン屋さんに向かった。こちらもまた、人気のお店で、コロナ禍ということもあり5人までの入店制限がかけられていた。数分で入店はできたものの、身体にカレーの匂いをまとっていたのかも、という懸念さえ吹き飛んでしまうほど、昔を懐かしみながら、数食分の商品を選んだ。続いて、少し気分転換に博物館などに足を運ぼうか、と思ったものの、中之島の国立国際美術館は展示入替中、海遊館は時間指定券の発券をしている程で、またの機会にしよう、ということで京都に戻ることにした。
帰り道、Zoomのウェビナーを聴きながら、高速道路の追い越し車線を小気味よく走っていると、横に覆面パトカーを見た気がした。無線のアンテナがある運転席と助手席に2名乗車している黒のクラウンであったので、通行車線に戻って品の良い運転を続けることにしたものの、どうやら思い過ごしだったようである。常々思うのは、覆面パトカーというのは言わば素顔パトカーで、例えばタクシーやガス会社といった警察以外の業務車両に模したものへと偽装しているものを言うのではないか、と思うことがある。とはいえ、そうした変装パトカーが走っていたら、それはそれで紛らわしく、しかし別の意味でわかりやすいところであり、果たして、どうすれば犯罪抑止に効果がもたらされるかを想像したところ、結局は今のような素顔に薄化粧(無線や赤色灯などを架装)な状態がよいのだろう、と思い直している。