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2017年8月10日木曜日

仕込みの苦労は見せないが

当別エコロジカルコミュニティーによる「北海道高校生自然環境ミーティング」、3日目である。昨年度とは異なり、最終日までものづくりの活動を引きずらないように促していたものの、前夜もまた1時過ぎまで作業をしていることは確認していた。これらを受けて、3日目のプログラムでの力点を少し工夫せざるを得なくなった。そこで朝食の後、今日の流れについて、当別エコロジカルコミュニティーの山本さんと相談、確認することにした。

朝には昨晩のワークを受けて、先生方から講評を述べていただくことにした。残念ながら、この内容を受けて、さらにその後の動きに修正が必要であると判断した。簡単に言えば「できたこと」に対する評価ばかりが続いたためである。それぞれの先生方は2人ペアになり、同じく当別エコロジカルコミュニティーのスタッフさん1人も入って、3班に分かれ生徒さんたちと共に活動したはずである。ところが、「私たち」という一人称複数形ではなく「あなたたち」といった二人称複数形により、「先生」という三人称を主語に、達成内容についての評価が語られていったのだ。


そこで、その後の振り返りのワークでは、ことさらに振り返りという言葉を強調せず、それぞれの思いを言葉にし、他人と比べ、違いを認め合うことの意義を深めていくことにした。まずは自然環境という言葉を言語化できる水準を自己評価してもらい、その水準の高低をもとに一列に並んでもらうことにした。昨日までの出会いと関わりの中で、他者と比べたときに自分はどこまで自然環境に対して関心を持ち、理解を重ねてきているのか、ある種のピアレビューを行おうという企図であった。その後、同じ水準の3人で組をつくり、互いの認識を語り合ってもらうことにした。(ただし、3人ずつ区切ったところ、低い水準にあるとされた人が2名となったため、1番目と2番目に高い水準にあるとされた組に入ってもらい、4人組とした。)


このときに使ったのがA4版の用紙で、短冊状に2回折りたたんでもらうことにより、用紙を横使いにしたときに4つの記入欄が浮かび上がるようにした。3人組のトークの最初、一番上の欄に「自然環境とは何か」を書いてもらって、互いの認識を語り合ってもらったのである。続いて1つの円に並び直してもらった後、「私は自然環境にどう関わるか」と、1つ飛ばして「呼ばれたい名前あるいは呼んできてもらった名前」を記入してもらい、「5分のあいだにできるだけ多くの人の意見を聞き取る」というワークを行った上で、空白となっている3段目の欄に「今後、私たちは自然環境のために何をすべきか」を書き入れてもらい、今回の参加者に対する提案として発表してもらうことにした。こうして「主語を私にする」「量を大事にする」「質を大切にする」「相互承認によって合意形成をする」という工夫を重ねたのだが、ある方から「今回ほど準備をしなかった時はなかったのに、良いミーティングになった」という感想が吐露され、緻密な仕込みを重ねたつもりの身としては、どっと疲れがこみ上げてしまったというのが正直な思いである。