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2017年8月24日木曜日

現地で調べて少しだけ浸る

国際総合防災学会(IDRiM2017)2日目の今日も朝イチから会場に向かった。今回の会場のHarpa(ハルパ)はコンサートホールと国際会議場の両方の機能がある。そうした機能面だけでなく、デザインでもよく知られた場所でもある。今回の会期中にはコンサートは予定されていないようだが、建築そのものに関心のある人向けに、毎日、何回か館内を巡るツアーが有料で用意されている。

2007年1月に着工され2011年5月に開館したHARPAの設計はデンマークのヘニング・ラーセン・アーキテクツによる。7月に訪れたコペンハーゲンの新カールスバーグ彫刻美術館も氏の設計という。ヘニング・ラーセン氏は2012年には高松宮殿下世界文化大賞を受賞されている。もっとも、2013年6月に氏が逝去されていることも含め、こうしたことは現地に来るまで知らず、Harpaのあらゆる場所でガラスをとおして光が降り注ぐ設計に関心を向けて調べた結果、得た情報である。


そんな場所での年次大会2日目は、まずはポツダムにある「Institute for Advanced Sustainability Studies(IASS:高度持続可能性研究所と訳出してみる)」のOrtwin Renn先生による複合的なリスクに対する対応策についての基調講演に始まった。そこでは(1)ballance betweeen precautions responses and precautions responses(都市計画などによる事前の対応と発災時を想定した計画策定の均衡を図ること)、(2)combining effectiveness(専門家による効果測定), efficiency(企業等による効率性の追求), resilience(概念としては回復力・可塑性などと捉えたいが、日本ではハード面の強靱化向上と捉えられる), fairness(民間非営利組織により公正さへの配慮) to achive legitimacy(手続き的な正統性がもたらされること)といった観点が示された。加えて、多様な主体を巻き込むことや、教育プログラムや情報社会ゆえの新たな対話の機会創出も重要であると示された。

基調講演の後は2つの分科会が続き、ランチの後には学会のオフィシャルプログラムとしてフィールドワークが予定されていた。しかし、宿に帰って明日の発表の備えなどに宛てることにした。そもそもアイスランドの南部まで出かけるツアーであり、23時に終了というものであることが気になっていた。ということで、せっかくのアイスランドであったが、Harpaから宿まで大回りしつつ、レイキャヴィークのまちの雰囲気に浸るにとどまった。