2018年度からは「浜松市創造都市推進事業補助金」という制度が開始され、その審査員を務めている。事実上「みんはま」の後継事業である。ただし、共に浜松市補助金交付規則のもとで執行される浜松市総合計画に掲げた都市の将来像「市民協働で築く『未来へかがやく創造都市・浜松』」のための補助金であるものの、「みんはま」は補助算定経費(事業の補助対象経費から収入等を控除した額)に対して1年目はスタートアップとして100%、その後に継続事業として採択された場合には2年目は半額、3年目は4割、4年目は25%が補助されると工夫(「みんなのはままつ創造プロジェクト補助金交付要綱」に明記)されていた。一方で、「浜松市創造都市推進事業補助金」は期待する取組の内容が明示された上で担い手ごとに提案のカテゴリーと補助率の上限が設定され、市民活動団体等は「既存の活動団体の枠組み、活動範囲、活動内容を超えて、新たな発想で地域課題の解決や生活の質の向上につながる取組」に上限100万円を100%補助、アーティスト等には「市内の企業や地域と連携し新たな文化資源の発掘や発信、市民の創造性を刺激・育成する取組」に上限30万円を100%補助、そして中小企業者には「デザイナー等と協力し新たな製品・商品を開発する取組や、申請企業が有する技術や知識を広く地域に開放する取組」に対象経費の半額を100万円を上限に補助、という具合である。
今日はその採択団体の1つで、佐鳴湖をフィールドに創造都市推進の事業を展開する「Share THE PARK」の活動にお邪魔した。そもそも「みんはま」を終了した理由は、公益財団法人浜松市文化振興財団を基礎自治体におけるアーツカウンシルとして捉え直し、文化庁の「文化芸術創造拠点形成事業」のもとで、財団内に「浜松アーツ&クリエイション」を新たに立ち上げたことによる。2020年度は新たな制度での2年目のとなるが、財源は浜松市から移管されていないものの、行政の直接執行とは異なる特徴を出そうと、交付決定後には審査員がアドバイザーとなって事務局と共に伴走支援に取り組む、ということになった。今回は対面での現地視察となったが、コロナ禍の中ということもあって、Zoomなども活用してアドバイジングを重ねて来た。
本日伺った「Share THE PARK」は市民活動団体枠で「佐鳴湖を中心とするエリアに、豊かで持続可能なローカルライフを提案するマルシェとフリーペーパーの刊行」に取り組むものである。アドバイジングとしての対話では、「誰にでも開かれた公園を市民が互いの思いを共に大切にしながら場づくりを行うので、民園あるいは共園づくりですね」などと投げかけてみた。こうした言葉遊びがお嫌いではないようで、何かピンと来たところがあったようである。事業は2月分で一段落するものの、来年度の補助金応募への準備と共に、3月末を含む当面の活動は自費で展開することを決めたようで、地元の高校生がボランティア役を買って出ていた受付に置かれたガラス瓶には、参加者らの寄付が多く寄せられていた。