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2017年9月1日金曜日

まちの文化と民度

約61万人のシュツットガルトから、約8万人のチュービンゲンへと移動した。移動は国鉄で1時間少々という距離である。ただ、距離にして30kmほどゆえに、うまく道を選べば30分ほどで移動できるようだ。実際、今回お招きをいただいた、かつての立命館大学の留学生は、明後日の夕方、空港まで車で送ってくれるという。

チュービンゲンに向かう前、午前中には郊外のお城へ、そして街中へと帰るついでに、お昼をポルシェ博物館でいただくことにした。ドイツ最大規模のバロック様式の宮殿であるルートヴィヒスブルク城はガイドツアーでのみ宮殿内を見学することができるようで、あいにく英語でのツアー(次のツアーが13時30分と案内された)に参加すると、その後の予定に支障が出そうなので、城内の散策だけにとどめることにした。加えて、シュツットガルトはメルセデス・ベンツなどを販売するダイムラーだけでなく、ポルシェも本社を置く自動車産業のまちでもある。そこでルートヴィヒスブルクからシュツットガルト中央駅に戻るにあたって立ち寄りやすいポルシェ本社横の博物館に立ち寄ることにした。


ポルシェミュージアムでフェルナンド・ポルシェ博士によってもたらされた技巧に学び、356クーペや550スパイダー、そして911などの造形美に魅せられた後、シュツットガルト中央駅からチュービンゲンへと向かった。ちなみにポルシェ博物館のカフェのメニューは、週替わりメニューのほか、車種名を冠した定番メニューもあり、特にオーナーにはたまらないのだろう。ただ、私にとっては、ポルシェ博物館の目の前の駅からSバーン6号線・60号線の券売機でクレジットカードも持ち合わせの20ユーロ札も使えないとわかったとき、若者の集団の一人が10ユーロ札2枚に快く両替してくれたことの印象が強く残っている。昨日、今朝の朝食を用意しようと訪れたパン屋さんでもクレジットカードが使えず、慌ててATMに走ったが、これは日本でも同じく、クレジットカードだけでは暮らしていくことは難しいのだろう。

チュービンゲンに着くと、緑の木々と風情のある建物が立ち並ぶまちの雰囲気が目に飛び込んできた。人口が約8.8万人のチュービンゲンで、大学の公式サイトによれば現在28,394人が学んでいるようで、大学のまちもたらす情緒なのだろうと勝手に納得している。今日の宿は、宗教研究で名高く、歴史や文化の研究も盛んなチュービンゲン大学が博物館を置く城跡に近い。途中、大聖堂の前で来る選挙に向けた演説会がなされており、民度が高いまちなのではないかと、明日からの動きに期待を高めている。