英語の後は自宅に戻り、昨年は対面で開催(今年はZoomでのオンライン開催)された日本ライフル射撃協会による「アスリートパスウェイの戦略的支援事業」評価会議に学識経験者として出席した。私が起用されたのは、事業対象者となる若年競技者の育成環境について社会心理学の中でもグループ・ダイナミックスを専門とするゆえに考察をして欲しいという側面よりも、むしろ学生時代にライフル射撃を始めてその後は継続していない競技経験者であることが重視されたため、と捉えている。ライフル射撃というスポーツは銃刀法の制約により競技人口の裾野拡大が難しいものの、しかし日本ライフル射撃協会の協力により「ライフル・イズ・ビューティフル」というアニメ(原作は4コマ漫画)も制作されており、そうした普及活動に加えて、将来の世界的なアスリートを養成するために、各県の競技団体である協会(今回は埼玉県ライフル射撃協会、山形県ライフル射撃協会、愛知県ライフル射撃協会)を拠点とした「タレント発掘・育成(Talent Identification and Development、TID)」がなされている、という具合である。2年間の委託事業の終了にあたり、コロナ禍で当初の想定どおりには展開できなかったものの、2時間の議論の最後、私からは(1)競技人口の裾野拡大とあわせて指導者人口の拡大も重要となり、(2)そのために若年者競技者との出会いと指導により選手の引退後のセカンドキャリアの一つとして指導者への道を開くことにもなるのではないか、(3)最高の目標はオリンピアンかもしれないが最低・平均の目標設定もできるとプログラム開発の上で手がかりが見いだせるのではないか、という総括コメントを示させていただいた。
夕方には町内会の役員会に出席し、事業報告と決算を行う総会に向けた意見交換に参加した。1年交代の輪番制であるため、まもなく任期は終了するのだが、たまたまお役目で副会長の役をいただき、一方で会長がパソコンの類いを一切されない方でいらっしゃるため、総会の議案書の作成のお手伝いをすることにした。途中、前例踏襲により穏便に済ませたいという意思をお持ちの方と、「以前のままでは今後が立ちゆかない」とする改革派とおぼしき方との意見が割れ、いてもたってもいられず折衷案を提示したものの、積極的な変更は来年度以降の役員に過度な負担を強いることになる、と先述の改革派とおぼしき方からまさかの反論が示された。結果としてポジショントークに巻き込まれてしまったのかもしれない、と思い直し、その後は発言を控えることにした。
常々、会議には出席と参加は異なること、そして審議事項と報告事項とで議論への姿勢が異なると共に、積極的に議決をしない懇談事項もあっていいこと、などを大学の授業でも教えてきた。しかし、経験が豊かである、という方にとって、私の会議への姿勢は理屈っぽい輩という身構えを持って距離を取られることがあることを今日はひしひしと感じた。そうした場面に立ち会うと、どうしても私もまた、身構えがある人たちへの身構えを抱いてしまう。とりわけ、対面の会議では、非言語的(ノンバーバル)なコミュニケーションの要素が発話のタイミングや内容を左右するところもあることを再確認する機会を得た。
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