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2021年3月5日金曜日

生きた区切り

1週間ぶりにオフィスに向かった。多くはオンラインで完結しているが、時折届く郵便物に大事なものが含まれていることがあり、うっかり見逃すことのないよう気に留めなければならない。また、ペーパーワークの中でも経費精算の一部は原本の提出が必要となる。それゆえ、今日は郵便物の確認と領収書の原本を携え、立命館大学衣笠キャンパスへと足を運んだ。

衣笠キャンパス正門に京都府立堂本印象美術館があることはよく知られているだろうが、その東隣に堂本印象先生がアトリエを置いた邸宅があることはあまり知られていないだろう。そして、その邸宅は現在、学校法人立命館が所有し、管理・運営していることはほとんど知られていないのではなかろうか。大規模改修を経て2018年度から運用が始まることを知った私は、2018年度から授業の一環としてこの旧・堂本邸を活用してきている。その旧・堂本邸に、12月中旬から仮囲いがされていたのが気になっていたのだが、囲いが外されると高塀をやめて生け垣とされており、開かれた印象がもたらされていた。

衣笠キャンパスで書類を提出した後、せっかくキャンパスに来たので、ということで、今年度で退職される方にご挨拶をさせていただいた。私が学部生の頃に事務室におられた方なので、恐らく今の私と同じ年齢の頃にお出会いした方である。わりと気難しい印象を持たれる方と推察をするものの、どちらかという私は苦手意識はなく、一つずつ丁寧に説明すればその背景の事柄を理解して淡々と進めていただけるという印象を抱いており、記念写真も撮らせていただいてオフィスを後にした。その後は行きつけの喫茶店でランチをし、自宅から2つのZoomミーティングに参加した。

来週の今日は東北にいる。東日本大震災から10年、そっと現地に足を運び、あの日からの10年を見つめ直すつもりである。今、立命館災害復興支援室では「災害に見舞われた地域に心を寄せてー「つむぐ思い出」フォト投稿の募集」がなされ、2012年度の「その日」(つまり2013年3月11日)から始めた「いのちのつどい」の2020年度分の告知も始まったが、これまである程度は定点で観察し続けてきたいくつかの場所に身を置くことにしたい。悲しみを慈しむ、そのためには何ができたか、だけではなく、何ができなかったか、ということにもまた誠実でありたい、そんな思いを携えての旅となるだろう。

かつての高塀から頭を覗かせていた部分との境界がわかる現在の生け垣
(iPhone 12 mini, 4.2mm< 35mm equivalent: 26mm>, f/1.6, 1/121, ISO 32)

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