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2021年2月13日土曜日

機能の肥大化との格闘

そもそもMicrosoft ExcelはMacintosh用のソフトだった。このことは、Windowsユーザーにとっては意外と思われても不思議ではないが、古くからのMacユーザーも殊の外驚く場合がある。恐らく、MS-DOSで一太郎とLotus 1-2-3が好んで用いられた時代、MacではマックライトIIとExcelの組み合わせが浸透していたのではなかろうか。少なくとも私は1994年、Macintosh LC475とクラリスワークス2.0とMicrosoft Excel 4.0の時代から、AppleのマシンでMicrosoftのソフトを使ってきている。

2020年のコロナ禍によってテレワークが常となるまで、私のメイン端末のOSはMac OS10.6.8、つまりSnow Leopardだった。これはメールのクライアントにEudoraを、そして文字起こしにPardonを、動画の簡易編集にQuick Time Pro 7.0を使ってきたことが大きい。ただ、いよいよそのこだわりを捨てなければならないと判断して、一気に現代化した。今のメインマシンはMacBook Air (Retina, 13-inch, 2020)である。

ただ、環境が新しくなったことで難儀することも多く、その筆頭が立命館大学の大規模科目の成績評価の際のExcelの挙動である。立命館大学では朝日ネット社のmanabaというCMS(Course Management System:授業管理システム)が導入されているため、提出されたレポートがフォルダへのハイパーリンクが付与されたExcelのシートと共にダウンロードできる。ところが、以前の環境ではファイルへとアクセスできたリンクが、今はアクセスできないのである。自動書き出しでは学生IDが付与されたフォルダへのリンクとなっているものをファイルへと手動で修正すれば開くのであるが、それ以外でエラーのダイアログを回避する術が見いだせないのである。

MacでMicrosoftのソフトを使うのだから仕方ない、と言われそうだが、冒頭に記したとおり、もともとMacintosh用のソフトだったのである。それがExcel97(Mac版はExcel98)から表計算ソフトにもかかわらず「セルの結合」という機能が実装され、いわゆる神エクセルへの道が開かれた。やがてMicrosoft Officeとしてソフトウェア間での統合ソフトとして位置付き、さらにはOffice 365としてウェブアプリケーションへと展開されている今、とりわけmacOS(MacintoshとMac OSとmacOSの表記の違いには意味があるのだが、ここでは立ち入らない)の永続ライセンス版のユーザーがネチネチ言うこと自体がナンセンスなのかもしれないが、機械翻訳のようなMicrosoft社のオンラインヘルプを閲覧するたびに、なぜシンプルな物言いが出来ないのか、と腹立ちが収まることはない。アフォーダンスの概念を実践的に説いた『誰のためのデザイン』の著者であるドナルド・ノーマンの著作『パソコンを隠せ、アナログ発想でいこう』(2009年に「インビジブルコンピュータ」に改題)には、Microsoft Wordの機能が肥大化していっていることを揶揄する記述があったが、そんなことを思い出したりしていたら、いっこうに採点が進まないのであった。

警告はさておき今日は立命館宇治高等学校によるWWL事業のフォローアップで励まされました


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