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2013年8月15日木曜日

西陣での地蔵盆

カレンダー通りの仕事、という表現も、あまり聞かなくなってきたかもしれない。悪く言えば、行事などに左右されない働き方である。役所仕事、などと言えば、もっと聞こえが悪くなるだろう。ともあれ、妻は束の間の夏休みがあけ、今日から仕事に向かった。

昨日、静岡から帰ってくる道すがら気になったのが、今、住んでいる界隈で、地蔵盆の支度がなされいたことであった。何の注釈もなく地蔵盆という言葉を用いることができるのは、既に静岡で過ごした時間よりも、関西で暮らす時間が長くなったことのあらわれかもしれない。それはさておき、特に関西に限ったことではないようだが、この間暮らしてきた京都や大阪では、8月の下旬の風物詩として、よく目にしてきた風景の一つである。特に、8年間過ごした上京区の京町家では、大家さんのガレージが会場とされたこともあって、よくよく、馴染みがあった。

地蔵盆は、その名のとおり、地蔵菩薩の縁日である24日に行われる「地蔵会」がもととなっている。ただ、こうした縁日の取り扱いにあたっては、新暦と旧暦のあいだで、開催日の決定に揺れが生じる。そうした中、旧暦の7月24日が新暦のお盆だから地蔵盆、として位置づけられると見るのが妥当なようである。ただ、そうして「盆」という名前でつなげられた「地蔵盆」も、地蔵菩薩の縁日が24日ということに(いい意味で)引きずられて、8月24日の前後の土日を中心に開催される、というのが、上京区で暮らしていた折の、私の理解である。

ただ、この4月から居としている京都市北区の住まいでは、慣例として8月15日になされてきたようなのだ。以前、今の家で暮らしていた方から聞くところによると、西陣の織屋さんが多いまちのため、あまり多くの休みを取らないよう、お盆と地蔵盆を同じ時期に開催することにした、という。すっかり、子どもも減り、機音も希となってきたまちであるが、やはり、まちに歴史有り、である。そろそろ、このまちにも、きちんと関わっていかねば、と思う、そんなお盆の一日であった。

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