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2021年1月15日金曜日

「近助」への抜き打ちテスト

ほぼ終日、在宅で過ごした1日となった。朝9時半からは1月19日の4限「地域参加学習入門」の、13時からは同じく1月19日の2限「現代社会のフィールドワーク」の、それぞれ授業準備を行った。いずれも立命館大学サービスラーニングセンターの授業である。前者は受講生に対する事業案内を、後者は受講生の提出した課題への外部者としてのコメントを、それぞれZoomミーティングで収録した。

その後、15時から、立命館大学大学院先端総合学術研究科のパートナーシップ委員会によるオンライン企画「コロナと大学」に参加した。副題には「流行から一年経って見えるもの」と掲げられ、農業史・食の思想史を専門とする藤原辰史先生(京都大学)と『 「ファット」の民族誌——現代アメリカにおける肥満問題と生の多様性』の著者で知られる文化人類学者の碇陽子先生の話題提供がなされた。お二人の話題提供に続いて、主催者側として美馬達哉先生・千葉雅也先生・Martin Roth先生らの参加のもとで対話が進められた。コロナ禍は現在進行形ということもあって、また多くが大学関係者ということも重なって、参加する多くの人が当事者として向き合うことのできるテーマではあるものの、やや抽象度が高い議論の傾向にあったと捉えている。

ただ、最初に話題提供をされた藤原先生が「コロナは人類への抜き打ちテスト」という表現を紹介されたときにはドキっとした。進行がややタイトな中、立て板に水の語りで進められていったため、元々どの方の言葉かは聞き漏らしてしまった。メタファーやレトリックに常々関心のある私としては、抜き打ちテストというからには出題者がいて答え合わせができるという副次的なメタファーが生成できる、と概念を拡張しつつ、改めてコロナ禍に対する人々の向き合い方について思索を巡らせた。さらにはテストにはマークシート方式や論述など多彩な形態があることから、そうしてテストまつわる一連の類推(アナロジー)からも、改めて社会の動態についてこれまでの現象を精査する手がかりを得られるような気もしている。

オンライン授業の素材作成とオンライン企画の参加の合間に、町内会のお役目として、京都市が発行する「市民しんぶん」の配布に回った。現在、184世帯が参加する町内会において東西南北の4つに分けた上での南地区(54世帯)担当の長の役をいただいているのだが、自ずと京都市の「市政協力委員」となるため、月2回の配布物回覧の役割をいただいているのである。そもそも国勢調査の年のため、担当となると大変という声はいただいていたものの、それに加えてのコロナ禍は、通常の運営とは異なる工夫や判断が求められ、さしずめ住民自治の抜き打ちテストの最中のようだ。折しも本日の配布物には「互いに助け合い、 支え合い、励まし合う、顔の見える関係」を「近助」の力と名付けており、なかなか洒落た表現に出会えたと感じている。

(Nikon D40, 40mm, f3.3, 1/5. ISO400)

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