ブログ内検索

2015年4月7日火曜日

「楽単」と捉えられる「カモ」

前期の講義が始まった。今年も前期は火曜日が立命館大学の衣笠キャンパス、水曜日がびわこ・くさつキャンパスに出講する。後期には月曜日の夕方から同志社大学の今出川校地に出講させていただく。持ちコマ数は若干減ったが、時間割に乗らない部分での動きが増え、講義の一環として地域で過ごす時間がより求められる年になりそうだ。

5月から始まる変則の通年科目を3クラス持つ関係で、年度当初は火曜日の2限の「地域参加学習入門」と、6限の「シチズンシップ・スタディーズII」から始まる。いずれもサービスラーニングセンターによる科目である。ちなみに「地域参加学習入門」は、「地域参加活動入門」と呼ばれた時代から、具体的には同志社が本務校であった2010年度から担当しているため、今年で6年目を迎える。一方で「シチズンシップ・スタディーズII」は、2012年度で終了となった「ボランティアコーディネーター養成プログラム」の科目群を整理し、2013年度から開講されたものであるため、今年で3年目となる。

長きにわたって同じ科目を担当していると、一定の評判が学生たちによって伝えられていく。特に「地域参加学習入門」は、400人の大規模科目なのだが、筆記試験もレポート試験もなく、小レポート4回と最終レポートによる平常点評価ということもあり、楽に単位修得ができる「楽単」とされている。そして、そうした科目の担当である私は「カモ」だという。Twitterで検索キーワードを工夫すると、そうした類のツイートに複数出会うことになる。

いくつかのツイートの中で、どうしても気になることがあって、引用しながら返信をしたものがある。それは単位は教員が「あげる/あげない」ではなく、成績に応じて学生が「得るか/得られないか」の問題と伝えるためだ。R2020とも呼ばれている、2011年度から2020年度までを計画期間とする立命館の10年計画では、学習者中心の教育が柱の一つとされており、それに応えるべく、楽かもしれないけど楽しい学習環境、時に苦しいけど学びの実感がもたらされる講義設計に努めているつもりである。「地域参加学習入門」に対して寄せられた言葉に、何となくモヤモヤを思いながら、講義を終えると、毎回、講義の最後に回収しているコミュニケーションカード(質問やコメントの用紙で、私の場合は毎回設定しているワーク用のメモ欄を追加して都度都度作成しているもの)が乱雑に置かれているものを、誰の指示も受けない中で整理を始めた受講生らがいて、こういうことができる素養を習得して欲しいのだ、と、次回の講義で紹介すべく、急いでレンズを向けた。


0 件のコメント:

コメントを投稿