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2015年4月21日火曜日

4+1コマ

大学の講義を労働として捉えるかどうかはさておき、集約型の仕事をさせていただいている。もちろん、集約型とは何か、と、定義にこだわる方にとってはそこから説明しないといけない。ただ、一般的な定義はさておき、ここでは曜日によって動き方を定めている、という意味である。ちなみに火曜日は立命館大学の衣笠キャンパスで過ごす日である。

前期の火曜日は午前中に「地域参加学習入門」という大規模講義を担当している。受講登録者は400人だが、単位が楽に得ることができるという噂が伝えられているのか、今期の受講希望者は790人であった。ちなみに楽かどうかは個々の主観なので立ち入らないが、少なくとも楽しんで学ぶ環境づくりに努めているつもりである。今日は地域の自治(ここではガバナンスを指す)の原理が統治型(自治体によるコントロール)から協治型(多様な主体によるコーディネート)へと変わっていることの説明の後、先週の「2人組をつくることができない」という嘆きのことばに応えるべく、「3人組をつくって、今、気になっていることを(ただ)語り合う」というワークを入れた。

私が大学で教える仕事をさせていただいたのは、田村太郎さんからお声掛けをいただき、甲南女子大学文学部の多文化共生学科の学生を対象にした「NGO論」である。2003年、それなりに講演には慣れていた時期であるが、15回の授業を組み立てる経験は始めてであった。不安が先立つのと、知って欲しいことを伝えたいという気持ちが先走り、90分、ひたらすら板書をしながら、言葉を重ねる授業を続けた。結果は大失敗であった。伝えたいという思いが強ければ強くなるほど伝わらず、不安を隠そうとすればするほど相手から重ねられることばや相手が自由に使う時間を抑え、受講生たちの不満が一気に露呈した。

それが今や1日で4コマの講義を担当する日さえある、そんな仕事に就かせていただいている。午前中の講義を終えると、短い時間に昼食をとり、時間割上は授業時間であるがプロジェクト型の科目ゆえに「部室」のような雰囲気の場所へと向かう。今日はその合間に夏期集中の「全学インターンシップ」のサービスラーニングセンター取り扱い分のオリエンテーション、さらに夜学とも言える時間にはチームワークを実践的に学ぶ小集団科目「シチズンシップ・スタディーズII」と続く。気づけばどれも対話の機会を積極的に盛り込んでおり、学ぶ環境づくりへの一定の自信を持ち得てきたのだと、これまで出会ってきた受講生や仲間の教職員の皆さんに謝意を表したい。


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