大学コンソーシアム京都に在職していた折、当時、立命館大学政策科学部の教員でおられた田井修司先生からの提案で、中国の内蒙古自治区での沙漠緑化活動に、学生と共に参加した。2001年3月に初めて訪れて以来、同じ年の9月、2002年の3月と8月、そして2005年8月と、合計5回、学生らと共に現地で活動した。ちなみに「沙漠」は「砂漠」のミスタイプではなく、「水が少ない」土地が「漠」として広がっている、という意味からも、むしろ(日本でも)「砂漠」と書かれなければならないのだ。加えて「沙漠緑化」とは「沙漠化した」土地を緑化するという活動であるので、砂が移動して堆積した層の下にまで根が張る灌木(ポプラなど)を植え、その後で根の張り易い樹種(沙柳など)を植え、その後、被覆率向上にマメ科の植物を広げていく、というのが、私(たち)が行ってきた活動である。
この内蒙古での沙漠緑化活動の担い手の一人、エコスタイルネットの増田達志さんと共に、決まってこの時期に「春節パーティー」を開催している。春節とは、旧暦の正月を祝う中華圏のお祭りである。新暦における元旦は1月1日と決まっているものの、それに対する旧暦の正月は年によって異なり、2月10日だった2013年は、もろもろの多忙さも相まって、3月に入ってからの「パーティー」の開催となった。そんなイレギュラーの開催のためか、さしずめ沙漠緑化活動の同窓会の様相を呈する宴も、少人数での実施となった。
そんな季節外れの春節パーティーの今日、朝から立命館大学の衣笠キャンパスで2013年度 大学院新入生向けセミナー「大学院で獲得する“充実”」で、話題提供をさせていただいた。これは立命館大学の「大学院課」という部署が主催するセミナーで、大学院進学を希望している学部生と、この4月入学の入学予定者を対象に「大学院時代をいかに過ごすか」を深める機会とされている。昨年度までは外部の事業者に委託されていたとのことであるが、大学院生たちに「入口」と「出口」の<あいだ>にあまり迫ることができなかったもようで、教員や現役院生らの積極的な参画によって企画運営がなされることになったという。企画運営のリーダーシップは、立命館大学大学院先端総合学術研究科特別招聘准教授で、大学院キャリアパス推進室のお仕事もされておられる西田亮介さんで、先般、サービスラーニングセンターによるVSL(ボランティア・サービスラーニング研究会)でお招きした折は私の都合が合わなかったため、対面では初めてのご挨拶をさせていただいた。
セミナーの様子は明日、17日にも開催されるので、2日分まとめて触れることにして、今日は午後に應典院で開催された「グリーフタイム」にも伺ったことを記しておくこととしたい。グリーフタイムは2009年の9月から、奇数月の第4土曜日に開催されている「悲しみのためのとき」をお寺で創出するという取り組みである。当初は宮原俊也さんと尾角光美さんによって営まれていたが、宮原さんが単独で担った時代を経て、今はその後に宮原さんと共に担ってきた佐脇亜衣さんが場をつくっておられる。今回も、参加者それぞれが「悲しみ」に向き合うときが生み出されていたが、帰り際に佐脇さんとお話したところ、この春から鳥取でのお仕事を始められるそうで、しかし、それでも2ヶ月に1度は應典院にやってきて、この「グリーフタイム」を続けていくという決意を伺って、何とも、春という区切りにこそ、続けることと続けないことを見定めていかねば、と学ばせていただいた次第である。
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