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2013年3月21日木曜日

Design your Community with Energies

2004年から、大阪ガス株式会社のエネルギー・文化研究所(CEL)の研究プロジェクトに参加させていただいている。当時、財団法人大学コンソーシアム京都に勤務していた私は、在職4年を経て、それまでのインターンシップやリエゾンオフィスといった産官学地域連携の事業から、研究事業の担当への異動の只中にあった。そして、1997年の「京都・大学センター」時代からお世話になっていたボスが、出向元に戻ることになり、事務局のトップが交代するという変化の只中にもあった。そんな折、2002年度から(当時のボスのはからいにより、研修という位置づけのもと勤務時間の調整をお許しいただくこととして)大阪大学大学院人間科学研究科に社会人入学させていただき、渥美公秀先生のもとで上町台地界隈におけるネットワーク型のまちづくりについて研究していたご縁もあり、CELの弘本由香里さんから、大学コンソーシアム京都への委託研究の提案を頂戴した。

その後、2006年に同志社大学大学院総合政策科学研究科のソーシャル・イノベーション研究コースの助教授に任用いただいた後は、組織間で協定が締結され、新川達郎先生を代表者とする共同研究や、それまで3年間にわたって大学コンソーシアム京都の「単位互換科目」の「コーディネート科目」として開講されていた『コミュニティ・デザイン論』を、大学院科目として設置するなどの展開がもたらされた。今日は、その科目『コミュニティ・デザイン論研究』の今年度の総括と、次年度の展望を議論する研究会が行われた。本来であれば講師陣が全員揃えばいいのだが、それぞれに多忙な方々は更に多忙を極めている時期である。よって、4人での研究会となった。

今日の研究会では、新川先生を中心に、改めて「コミュニティデザイン」とは何かについて、意見交換を重ねることとなった。例えば、コミュニティデザインという概念がイメージ先行になっているのではないか、などである。よって、各種の実践に注目が集まるからこそ、改めて各地の事例の中で見られる「デザイン」の上での意図を、丁寧に紐解いていく必要がある。そこでは、目に見える側面、すなわち建物だけではなく、共同体の維持発展のプロセスへの視点を深めていこうと確認した。

とはいえ、2013年度の『コミュニティ・デザイン論研究』は、ゲストとして話題提供等をさせていただくのだが、いわゆる非常勤講師(同志社では「嘱託講師」と呼んでおり、立命館の「嘱託講師」とは全く別の意味合いで同じ名称が用いられている)は勤めない。よって、研究会での貢献を中心として、コミュニティデザインにまつわる歴史的背景、ハードにまつわる人の動き、クリエイティブな人たちが何を目指したかといった、人と物と出来事の関係について掘り下げていくこととしたい。ちなみに今日の研究会の後は、ガスビル食堂にて会食をさせていただいた。その折、新川先生から、東日本大震災における集団移転の問題について、東北における「平均的な敷地面積(100坪)」と「用地買収と提供(65坪程度)」、それらに対する「(中層の災害公営住宅への)政策誘導」から、「二重三重に選択肢が限られている」中で「選択肢から選び抜くまでの時間」と「仮設からの退去のタイミング」とのせめぎあいが生まれていることなどを伺い、またも大きな問いに向き合うことになった。

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