あの日から15年、その日に感慨深い場を生み出すことができました。本日、應典院寺町倶楽部主催、寺子屋トーク第57回「+socialの編集者たちが語る:思いをつなぐしくみ・地域に根ざすしかけ」、無事終了いたしました。定員80名のところを、70名ほどのご参加をいただくことになりました。開会前には物故者の追悼法要がなされ、法要の後には、別途、應典院ブログに掲載させていただいているとおり、秋田光彦住職に短いながらも法話をいただきました。私は進行役を務めさせて頂いたのですが、何度も涙がこみ上げてきました。
阪神・淡路大震災15年・特別企画と銘打って開催した今回の寺子屋トークは、同時に「U35の実力」と題したコモンズフェスタ2009/2010の参加企画でもありました。そもそも、コモンズフェスタのテーマにそのような名称を掲げたのは、今回のシンポジウムのゲストたちを招きたいという思いからでもありました。つまり、35歳前後の人々が今、世間で活躍しているとするなら、その世代は、震災当時、社会に出ていなかった学生たちではなかったか、ということへの注目でした。そして、他ならぬ私こそU35であるということからの確信のものと、35歳以下(Under 35)の厳密さはともかく、その世代が持つ特徴を、震災をからめて明らかにしたい、と、数々の企画によって一つの事業を組み立てたのです。
ゲストに招いた4人は、私と谷内さんについては全員面識があったのものの、面識の有無を問わず、それぞれに壇上にて「知っていたようで知らなかった」話が出されていくことになりました。実は今回、通常のシンポジウムではよくある「基調講演」というものを、あえてなくしてみたのです。2名での対談を2組、そして会場の方々を巻き込んだパネルディスカッション、それらを通じて、多くの語りが引き出されて欲しい、という願いを込めていました。と言うのは、とりわけ、最近、この手の企画では、用意してきた「PowerPoint」などを説明して、しかし時間が延びて、内容が深まらずに終わる、という場面をよく見てきたためです(議論のPowerPoint化による行間の軽視、とでも言いましょうか…)。
結果として、その企図はうまい方向に転がったと実感しています。個人的に印象に残ったのは、「昇り調子感の演出」(佐藤大吾さん)、「くやしさでつくった<のりしろ>」(深尾昌峰さん)、「万能感に傲慢になっていた」(谷内博史さん)、「きれいに整理をしようとするとやっかいなことが起きる」(稲村和美さん)、などです。全員がコーディネーターとして議論を回すことができる方々の、贅沢なシンポジウムの最後、企画者でありコーディネーターである私は、「これまでは目的や対象を明確にせよという<for>(何のために・誰のために)の視点が重視されてきたように思うが、改めて震災当時を振り返ると手を携えて何かに取り組んでいく<with>(誰とともに)の視点こそ重要なのではないか」といったまとめをさせていただきました。終了後には、應典院2階「気づきの広場」でのワンコイン交流会と、さらに喫茶店でのトーク、そして大阪駅ガード下の居酒屋での放談と、懐かしさと心地よさに浸った1日でした。
議論の様子は、大阪大学渥美研究室の信頼できる後輩にTwitter中継をお願いしましたので、ご参照ください。
(第一部)
http://twilog.org/osakakochin1/asc#100117
(第二部・第三部)
http://twilog.org/osakakochin2/asc#100117
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