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2010年1月13日水曜日

論を結ぶ

 本日、1/13、私が指導をさせていただいている院生が修士論文を提出されました。小山さん、本当におめでとうございます。また、提出3時間を切ったところでお手伝いをお願いした有吉さん、また滋賀から駆けつけていただいたTAの宗田さん、本当にありがとうございました。さらには、事務室での提出手続きの段階で、とっさの救いをいただいた西村さんにもお礼申しあげます。
 タイトルは「創造集団のアウトリーチ活動による文化芸術振興に関する実践的研究 -- 演劇分野における公民協働の課題と展望 --」です。昨年は2名が提出されたのですが、今年は1名だけでした。もちろん、同級生は多くいるのですが、同じ研究室で執筆する仲間がいない、というのはつらいものです。複数いれば、お互いにモデルとライバルの関係ができ、切磋琢磨しあえるのですが、なにせ1人で書く上では、孤独感に攻めさいなまれることが多かったのではないかと思っています。
 ともあれ、実は昨年度もそうだったのですが、提出直前まで、私の研究室に「軟禁」をいただいて(などと、丁寧語を使うのは間違っているのでしょうが)、特に論理的な展開に矛盾がないか、吟味を重ねました。事業仕分けではないのですが、こういうときには質問をする方が「優位」な立場にあります。私が矢継ぎ早に質問をするだけでも答えられないことが多い上に、〆切が迫っている中で指摘されるわけですから、本人にとっては極限状態に追い込まれてしまうこともあるのでしょう。ただ、提出間際にそうした指摘がなされるということは、当然指導教員の指導不足からもたらされることは明らかですので、私の内省が求められるところでもあります。
 論文というのはエッセイと違って、目的があって、結論が示されなければなりません。特に実践的研究を展開している、同志社大学大学院総合政策科学研究科ソーシャル・イノベーション研究コースでは、研究課題において具体的な問題提起がなされ、自らが先頭に立って解決策が提示し、それを実践の中で妥当性について例証しなければなりません。果たして、実践の結果をきちんとまとめ、それを先行研究等から抽象化を図り、新規性と独自性にあふれたものとして論を結び、課題と展望が示せているか、このあたりを最後の最後まで詰めていました。ただ、私が最後の最後まで問いかけたのは、「これが本当に言いたいことなのか」ということでして、この点については、また、公聴会が近づいたところで触れさせて頂ければ、と思います。



レバーファイルで3冊、これらが事務室に提出されました。

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