年賀状を続々といただき、ありがとうございます。しかし、高校時代、私が通っていた学校で唯一認められた「ゆうメイト」と称するアルバイトのときには、(少なくとも)外務(配達)のスタッフは2日が休みとなっており、結果として2日の配達はなされませんでした。ところが、2005年、ケータイやパソコンで年賀の挨拶を「済ます」人たちが増えてきたことを危惧したためか、あるいは郵政民営化の流れを受けてか、日本郵政公社の時代に、2日の配達が「再開」されています。調べてみると、1973年から配達はなされていなかったようです
そんななか、民営化された郵便局に年賀状を出しに行ったとき、ふと、ポストということばが気になりました。これまた調べてみると、郵便ポストという意味でのポストは、16世紀初頭に、ラテン語のpositumから来た女性名詞で、広いところでも正しい位置に物を慎重に配置する、という意味合いから出来たことばだそうです。これに似て非なるものが、ドアの側柱を意味するラテン語postisに由来するのが、支柱という意味でのポストです。日常的には、サッカーのコーナーポストやゴールポストなどのことばで使われています。
興味深いのは、郵便ポストのポスト、ということばは、「place」ということばと語源を同じくする、ということです。そのために、「ポスト」の第三の意味、位置・役職・立場という意味でのポストということばが生まれています。ただ、「郵便ポスト」と、「部長のポストを狙う」という語の違いは、上記のとおりに前者は女性名詞を由来とするのに対し、後者は中性名詞に由来するのだそうです。また、後者は16世紀中頃に出てきたことば、とのこと。
こうして「ポスト」ということばの語源の旅に出てみたら、郵便ポストのポストとは、固定されている状態を意味しているのではなく、むしろ、そこに投函された物が正しい場所にきちんと行き届くことが重要であるということ、さらにはそこには女性性が重ね合わされているということに興味を持ちました。もちろん、名詞ではなく動詞(posting)や形容詞(postal)で考えてみれば、当然のことかもしれません。ただ、今回は詳しく触れませんでしたが、ラテン語のpostというのは、後に「after」や「behind」を意味する、そう「ポスト鳩山」といった使われ方がなされる接頭語として、現代にも残っています。こうして、多くのことを気づかせてくれたポストと、そのポストの先で正しい場所へと配達すべく新年から働いている皆様に敬意を表しつつ、2日目を綴っております。
写真は我が家の最寄りの集配局、大阪東郵便局です。
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