オフコースの11枚目のシングルで「秋の気配」という歌がある。詞よりも曲が印象に残り、曲よりも歌の名前が強く印象に残っている。インターネットで歌詞を調べ、それを詩として改めて読み返すと、なかなかの恋模様が綴られている。ただ、耳から入って残った印象からは、何となく木々の葉が落ち、コートを羽織ってまちを歩く人が行き交う風景が想い起こされる。
アイスランドから帰ってきて、特に予定のない一日を過ごすなか、ふと窓の外を見れば、木々の葉っぱも色づき、落ち始めていた。また、落ちた実を拾う人の姿も見たが、夏の終わりの頃に落ちていた実とは違うもののようだった。季節は確実に移っている。気づけばデンマークに来てから5ヶ月が終わろうとしている。
日本では秋になると、決まって「虫のこえ」の歌を思い出していた。実際、秋の夜長に虫たちが鳴く音がこだまするからである。ちなみに、これまたインターネットで検索をしてみると、戦前には「蟲のこゑ」と表記していたようだ。戦後世代の私にとっては、蟲と虫では、違った印象を覚えてしまう。
アイスランドに行っていたあいだの事柄を整理していると、窓から虫が入ってきた。蛾の一種のように思われた。昼間飛び込んできた彼か彼女は、夜になっても出ていくことなく、寝る直前には電灯の近くに身を寄せていた。きっと、朝になれば日の射す窓から出ていなくなっているのだろう、と考えながら、スイッチを落とし、眠りについた。
アイスランドから帰ってきて、特に予定のない一日を過ごすなか、ふと窓の外を見れば、木々の葉っぱも色づき、落ち始めていた。また、落ちた実を拾う人の姿も見たが、夏の終わりの頃に落ちていた実とは違うもののようだった。季節は確実に移っている。気づけばデンマークに来てから5ヶ月が終わろうとしている。
日本では秋になると、決まって「虫のこえ」の歌を思い出していた。実際、秋の夜長に虫たちが鳴く音がこだまするからである。ちなみに、これまたインターネットで検索をしてみると、戦前には「蟲のこゑ」と表記していたようだ。戦後世代の私にとっては、蟲と虫では、違った印象を覚えてしまう。
アイスランドに行っていたあいだの事柄を整理していると、窓から虫が入ってきた。蛾の一種のように思われた。昼間飛び込んできた彼か彼女は、夜になっても出ていくことなく、寝る直前には電灯の近くに身を寄せていた。きっと、朝になれば日の射す窓から出ていなくなっているのだろう、と考えながら、スイッチを落とし、眠りについた。
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