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2017年9月5日火曜日

解説者モードになりがちな説明人

9月になって、少し慌ただしい。もっと言えば、8月末から慌ただしくしている。アイスランドの学会に続いて、元留学生のお招きで南ドイツに出かけてきた。そして来週はアイルランドで学会発表、そして再来週は久留米での学会発表と続く。

オールボー大学も新学期が始まり、キャンパスには賑やかな雰囲気が漂っている。新入生と思われる学生たちがあちこちをキョロキョロと見回っているのが微笑ましい。日本の大学では、大抵が春に新学期を迎えているため、桜の下で写真を撮影するといった風物詩があるが、こちらではどうなのだろうか。少なくとも、親子連れが大挙して歩いている姿も見ないし、着慣れていないと思われるスーツ姿の一団を見ることもない。

今日は新学期の雰囲気が漂うキャンパスを抜け、少し大きめのスーパーへと買い物に出かけた。今週、日本からお客さんをお招きするためである。その道すがら、妻と会話を重ねる中で、解説調ではないかと指摘された。そんな指摘に対し、つい「解説ではなく説明」と返した。

ふと、解説と説明を英語にはどの単語を宛てるのか、スマートフォンに入れている和英辞典を引くと、解説も説明もexplainの語が用いられており、あえて違う語を探してみると、解説の項にはcommentとあることに気づいた。exという接頭語には複数の意味合いがあるが、explainのexは「完全に」という意味合いで「平らにする」というplainの前につき、物事の意味を明らかにする、という言葉になっているという。それに対してcommentはラテン語由来で「共同性」を意味するcomとメンタルという言葉にも含まれる「心」を意味するmensが過去分詞系のtumを伴って一つの語(commentum)になったところから派生したようで、対象者に対して寄り添っていく姿勢が含まれると解釈できた。そこまで調べたところ「だからさっきのは解説でなくて説明だった」と話したところで、最早、説明人ではなく解説者になっていることを自覚するのであった。


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