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2023年1月6日金曜日

「もう」でも「まだ」でもなく

立命館大学の仕事始めである。衣笠キャンパスに向かうと、アカデメイア立命21の改修工事のために2018年より個人研究室を移すことになった尚学館に足場が組まれていた。昨年の秋以降に行われていた有心館に続く外壁タイルなどの点検・補修のためと思われる。衣笠キャンパスの多くの建物には、立命館史資料センターによる2022年1月27日の記事「衣笠キャンパス校舎の泰山タイル」にあるとおり、建築に詳しい人には名高いタイルが用いられており、末永く大切にされて欲しいと願うところである。

年始早々にキャンパスに向かったのは、いつもお世話になっている共通教育課のスタッフの皆さんへのご挨拶に加え、年末に届いた荷物の引き取りという目的があった。宮城と東京では2月から、関西では3月に公開となる映画「ただいま、つなかん」の風間研一監督から、映画の宣伝素材をお送りいただいていたのだ。「つなかん」とは宮城県気仙沼市の唐桑にある民宿「唐桑御殿つなかん」のことで、2014年から1年ほどかけて「つなかん」の隣にある山桜の木のもとに「TUNAMARU」というツリーハウスを建設したご縁がある。底抜けに明るい菅野一代さんの魅力に惹かれた人は私たちも含めて数多く、それが結果として映画へと結実した、という具合なのだが、そうして「つなかん」に思いを馳せた日に、今の立命館災害復興支援室の室長を務めておられる宗本晋作先生から、今年の3月の「いのちのつどい」などについて相談の電話があったのも、これまたご縁な気がする。

大学の後は鍼灸院に向かった。年末年始の疲れで、肩と腰がひどい状態だという自覚があったためである。年末にはそれが予見できていたので、予約しての通院であった。それゆえ、関西学院大学の岡本仁宏先生の最終講義は移動のあいだのみの拝聴に留まった。岡本先生には、社会人大学院生で学んでいた折にゲスト講師で来られた授業にて倫理学について平明な解説をいただいたのが最初で、2020年度の大学コンソーシアム京都による第26回FDフォーラムをはじめとして何度かお世話になる機会があった。

立命館大学に着任したのは2011年4月で、このまま定年まで働くと、あと17年である。それこそ「マネジメント」に関する著作で知られるドラッカーによる「コップの水」のエピソードのように、もう17年か、まだ17年か、その捉え方によって、今後の働き方は大きく変わってくるだろう。岡本先生のお話では、阪神・淡路大震災を契機に、それまでの政治哲学に加えて非営利組織論も専門とされるようになり、2009年には大学院の指導教授として再審査も受けられた、という。その点では、年数の如何によらず、「まだ」習得しえない、また出会えていない知の世界がある、という前提に立ち、まだまだ浅学の身であることを自覚することが肝となろう。

2011年の入職当初はBKCのアクロスウイングの琵琶湖を見渡すことができる部屋でした
<Nikon Z30, NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR [16mm/a full-frame equivalent 24mm], f7.1, 1/7/, ISO100>

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