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2023年1月12日木曜日

学びの橋を渡る

冬季休暇明けの最初の木曜日である。秋学期は立命館大学大阪いばらきキャンパス(OIC)での授業の後、同志社大学大学院総合政策科学研究科での非常勤という流れとなっている。ただ、今日は授業前に来年度の立命館大学サービスラーニングセンターの事業展開についての打合せが1件あり、午前中から茨木へと向かった。そして、授業終了後は一旦自宅に立ち寄り、図書館で借りている本を参照しながら書きかけの原稿をできる限り進めた上で、同志社へと向かった。

午前中の打合せは、例年、夏に行っている岩手県大船渡市でのプログラムの展開方法についてであった。この数年携わってきた職員が雇用期間満了で退職となることを受け、どのような方針と体制のもとで行うか、ということが論点となった。サービスラーニングセンターが主催するものとあって、学生の自主性を尊重することが前提となるものの、課外プログラムでの参加者に加えて、夏期集中での正課科目の受講生もまた共に活動するため、いわゆる質保証と言われる観点から、教員の介入が不可避な状況もある。ただ、同一年度での正課・正課外の学生どうしの交流だけでなく、過去にいずれかに参加した学生が別の形態で参加する場合もあれば、また正課科目で受講した場合に単位が付与された場合は1回しか参加できないのに対して正課外であれば複数年度の参加も可能、という具合に、多様な学びのスタイルを選択可能という「ラーニング・ブリッジング」の実現が可能という特徴は今後も活かし、よりよいプログラムとして展開していくことは最低限確認できた。

午後は「地域参加学習入門」で、「ソーシャル・イノベーションと社会的責任」というテーマのもと、谷内博史さんをゲストに迎えた。キャンパスへの出講を前提に招聘手続きを進めていたものの、結果としてZoomでの話題提供となった。地域通貨おうみの話も少し交えつつ、立命館大学ボランティア情報交流センターで共に活動していた頃の学びと、現在の生活拠点である石川県能登島での取り組みを紹介いただいた。職場である金沢市市民活動サポートセンターからの参加ということもあって、仕事内容にも触れていただき、谷内さんの後輩にあたる政策科学部の受講生からも授業内で質問が寄せられ、時間と空間を縦横無尽に行き来する場となった印象がある。

そして夜の「コミュニティデザイン論研究」では、主担当の大和田順子先生が「生物多様性(ネイチャー・ポジティブ)を活かした持続可能な地域づくり」というテーマで話題提供をされた。長く農林水産省の世界農業遺産等専門家会議の委員を務めてこられたこともあって、各種の概念を端的に紹介いただいた。特にテーマにも掲げられた「ネイチャー・ポジティブ」は今回の講義で改めて理解することができ、環境省が2022年3月23日から「ネイチャーポジティブ経済研究会」を実施していること、その第1回会議の資料においてはネイチャーポジティブの「国際的な定義は固まっていない」としつつ「次期生物多様性国家戦略素案」では「生物多様性の損失を止め、回復軌道に乗せること」と位置づけていることなどを知った。大学院ならではの展開で、授業終了後の熱心な学生からの感想や質問に答える場面とあわせて、知的な充足感に浸って帰宅した。

ちょうど阪急百貨店うめだ本店から「デパ地下」スイーツの移動販売日でした

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