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2014年4月3日木曜日

季節は巡り、時代は回る。

大学で働いていると、半年と1年の周期で、季節の変化を感じずにはいられない。半年の周期での変化は1週間に1回の講義を15回重ねることを標準とした「セメスター」の始まりと終わりである。そして1年の周期での変化は学生たちの学年の変化だ。最近は1週間に2回の講義を重ねていく「クオーター」制を導入も始まりつつあるため、もう一つ、短い周期での変化を迎えるようになるのかもしれない。

今日は1年周期での変化のタイミングで、学生の学びと成長を実感する場に立ち会うことができた。端的に言えば、新入生向けのガイダンスである。この4月で2回生になった学生が、今年度の受講を検討する学生たちに、受講経験を語るという場だ。いみじくも、ほぼ1年前、彼女は同じ機会に「聞く側」にいた。

多くの体験を重ねた後、その体験が腑に落ちると経験談として語られる。逆に言うと、うまく語ることができないうちは、まだその体験が腑に落ちていないときである。このことをもって、私は体験(try)の経験(experience)への昇華(sublimation)と呼んでいる。人間の営みに対して、化学の世界の比喩を用いることに、若干の抵抗があるのだが、ここに純物質と不純物(例えば、理科の教科書ではパラジクロロベンゼンが昇華するグラフが紹介されていた)のアナロジー(類推)も重ねることができる。

日本災害復興学会とNHKとの協働により「復興曲線」という手法(これは宮本匠くんの研究に詳しい)を用いて、被災された方々の「復興感」に迫る実践的研究を展開してきている。そこでは、心境の変化が「底」や「踊り場」などといった観点から語られる。語弊のある言い方となってしまうかもしれないが、純粋な人ほど、感情の浮き沈みが顕著にあらわれると言えなくもない。今日、話題提供をしてくれた彼女は先週も語ってくれたのだが、語る度ごとに内省を重ね、詳述の度合いが深くなっていく姿に、学びと成長を見て取ることができ、学びの場を共にできた喜びに浸るのである。


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